沈み行く国「ツバル」体験記 ”町歩き”で見えてきたもの

ツバルの「町歩き」で見えてきたもの

こんにちは。レビュワーの皆さん 閲覧ありがとうございます。

周作twitter:DarvishShu)です。

何回かに分けてツバルに行ってきた体験記をお届けしています。

旅行中ネット回線が使えなかったので、タイムリーな情報ではないのですが、日本にいる皆さんへ是非シェアしたいと感じ、書かせていただきました。

現地で撮った写真も踏まえてお伝えしているので、プチ旅行にいってきたような感覚で読んでいただければ幸いです。

ツバルに興味がある人はもちろん、どんな国か知らないという方も、違った視点で「国」というものを考えられると思うので、是非最後までお付き合いください。

ツバルの午後

5000人ほどの人が暮らしているツバルのフナフティ、最北から南下。

バイクで快走しています。

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いろんな民家がある中、ふと「お店」ってあるんだろうか…と探していたら……ありました。

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海に近い国ということで、釣具屋さんをいくつか見つけることができました。

こちらは教会。毎週週末に集会があるそうです。

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他にも日本のコンビニくらいの規模のマーケットがありました。

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売られているのは主に輸入品でしょうか?

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農作物も売られてましたが、一番種類が多かったのは、ジュースやビスケットのようなお菓子類、そしてビーフンなどの乾燥麺が沢山売られていたので、需要があるということでしょう。

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インスタントコーヒーも売られてました。「ネスカフェ」…馴染みあります。

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そしてネットカフェ。若者のたまり場なのかどうかは分かりませんが、繁盛してるんです。

時間的に暗くなってたので、日本で言う「学校帰りにゲームセンターよって帰る」ような感覚で利用しているのでしょうか?

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暗くなった道を進んでいると行商のおじさんが、何人かに「ツナ(マグロです)」を売ってました。

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といっても魚丸ごと。 …刺身とかにはしないんだろうなー。

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辺りが暗くなってきましたが、ここはガソリンスタンドです。

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珍しそうに写真を撮っていると、ツバルの子どもが寄ってきました。

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手には「オリヅル」が!?

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家の中から見つめる子ども。注目されてるのかな…?

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まぁこの日は暗くなったので、ホテルに宿泊。次の日に取材を続ける事にしました。


ツバル 中心街(?)の様子

朝、ホテルロビーです。

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多目的に利用できるようにバーとホテルが隣接されています。

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そして、すぐ前には空港。

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このホテルは観光客向けなんでしょう。ツバルに来た人はだいたいここに泊まる流れになるかと。

レンタサイクルもそろっています。

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早速空港付近の中心街(?)をスタート!まずは付近を散歩がてら歩いてみました。

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ちなみに向こう側に見える高い建物が政府機関です。唯一3階建てです。

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空港に隣接する道を歩いていきます。

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海の家のような建物。ボートが沢山置いてありました。

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暫く歩いていると、学校へ登校する時間帯に入ったのか、学生の子がちらほら。

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その先に学校と教会。すぐ近くに唯一の病院もあるそうです。国としてきちんと教育も施されているな~と実感。

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浜辺では何人かが釣りをしていました。

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本日の食料の調達なんでしょうか?

ツバルの周辺の島々を行く

この日の午前中は、とあるおじさん(Malosi Billさん)にボートでツバルの島を案内していただきました。

前日、ツバル駐在の日本人にお願いして話をつけてもらってたのです。

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エンジンを積み込み、燃料を入れたら出発です。

この日、午前中までは幸い快晴。

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ツバル・フナフティに沿って勢いよく進んでいきます。気分はもう海賊王!

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海側から見た陸地

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景色が絵になりますし、海がとても綺麗なんです。

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そんな中、まずはじめの離島へ到着。

なんだかワンピースの世界の中にいるみたいなワクワク感がありました。

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青い空、雄大な自然…といきたかったんですが……

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流れ着いたゴミも多い!これは何だ!どう見ても日本から流れ着いたゴミじゃないのか?

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ゴミは草木にちょこちょこ絡まっていました。

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遠くを見ると離島が2~3見えます。

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ツバル周辺は浅瀬と小さな島が沢山あるそうです。

ガイド(?)のおじさん(Malosi Billさん)が「こっち!」と手招きしてくれます。

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そこで見たのは衝撃的な景色でした。

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気候変動が今一番の問題

これは…ヤシの木でしょうか?

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木が根っこごと倒れてます。

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しかも何本も……

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しばらくこんな景色が続きました。温暖化とは違った問題が起きているのか?

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倒れていないヤシの木も、砂浜が波にさらわれて、根っこがむき出しにされています。

これでは長く持ちません。

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「これは何が原因ですか?」つたない英語でおじさんに問います。

するとMalosi Billさんが色々答えてくれたのですが、その中に聞き覚えのあるワードがあって、その部分ははっきり覚えています。

「今までツバルには無かった“タイフーン”がやってきた」と。

その台風は「キングタイド」と言われていて、1月~4月くらいにやってくる台風と気候変動だそうです。なのですが、ここ数年どんどん激しくなり、砂がさらわれて、海辺の木がやられているとのこと。このへんの木も、あと2~3年もすれば死んでしまうという話。

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倒れた木にはまだ若い実がなっていて、まだ倒れてあまり時期が経ってないと思われます。

“タイフーン”は日本の『台風』が語源です。世界標準語になってるんだ~と感じました。

今までツバルは台風の区域では無かったそうです。

だから草木も問題なく育っていた。

しかし21世紀に入ってから少しづつ環境が変わってきて、来るはずも無い台風がやってきはじめた。そして台風は年々大きくなっている。

そんな話でした。(多分!)

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これからツバルは勿論、各地の離島で台風の被害が大きくなると予想されているそうです。

一番影響を受けやすい小さな孤島の様子を見せていただきました。

木が倒れてしまったら、鳥が羽を休めに来なくなります。そんな感じで生態系が無くなっていくのを懸念されているようでした。

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根っこが見えてしまっている植物はじきにダメになると語ってくれました。


あまりネガティブに考えてもいけないと思いましたが、夢中でカメラのシャッターを押してました。

今世界でこんな状況になってるというのを知ってほしいので、是非スライドショーご覧頂ければと思います。



海賊になった気分で孤島を冒険

海を見渡すといくつか孤島があります。

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「あの島に行ってみたい」とリクエストをすると、快くボートを出してくれました。

そこは、もう海の楽園という感じ。ボートと食料があればいくらでも冒険ができそうです。

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住んでいる人は見当たりませんでしたが、島に遊びに来た人がくつろげる家もあったりして、気分はもう海賊団や冒険家でした。

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海も透き通っていて綺麗です。

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「向こうの島にも行ってみたい」…色々な島を転々としてみました。

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この島はあまり台風の影響は無いように感じました

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空を舞う鳥の多さで、なんとなく分かります。

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海沿いにあったヤシの木の苗。…台風の影響を受けずにすくすく大きくなって欲しいものです。

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いくつか島を見て回った後、お昼近くなってきたのでそろそろフナフティへ戻ります。

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振り向けば小さな島がいくつも見えます。

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そして、見渡す限り青い海。……確かにここだけを見ると楽園かもしれません。

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帰ってきたら、お母さん方が海に入ってました。

「あれは何をしているのですか?」と聞くと、あれは海で遊んでいるのではなく、世間話をしているだけだということ。

気候が暑く日差しも強いので、海に入って涼みながら話をしているのです。いや~赤道に近い島ならではの光景ですね。

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ボートで島を案内してくれたMalosi Billさんどうもありがとう!

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しかし、海岸は遠方より流れついたゴミなんでしょうか。とにかく汚れてて、この綺麗な海に対して違和感を感じます。

海はこんなに綺麗なのに、先進国の人間がプラスチックなどのゴミを海流に乗せて運んでくるんでしょう。

先ほどの離島に流れ着いていたペットボトルから想像しても、日本人にだって責任はあります。

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海にゴミを捨てるというのは、国を通じて迷惑をかけているということです。

こういう風景を見たらよく分かりました。景観が台無しです。

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それでも透き通るように綺麗な海はとても印象に残ってます。

浜辺を歩きながら写真とりました。

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お昼寝の時間なんでしょうか?

気持ちよさそうです。

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オープンな民家を覗くと、子ども達がくつろいでました。

家は殆ど開けっ放しなんです。

よく考えると、国が狭いので家の物を盗んでもすぐにバレます。

だから家に鍵をしたりする必要が無いんですね。

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ツバルの教育機関にお邪魔してきました

お昼になりました。

南側に行ってみたかったのですが、まず学校を見に行ってみました。

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「school」と書いた建物。ここは小学校みたいですね。

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校舎はこんな感じ。

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お昼休みを終えて、教室へ戻る子ども達

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許可をもらって中を見てみました。

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勉強している科目は化学か数学か?

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こっちは高学年の子達でしょうか?まじめに勉強していました。

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こうやってTV等取材の方が来るのは慣れているようです。

取材にまったく気にならなかったようで、驚きました。

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校舎の入り口付近です。学校内から撮影してます。

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学校に勤務している先生方にも取材させていただきました。

インタビューの内容は次回の記事にまとめています。

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先生方は取材されるの慣れてますね。

しかも、ツバル国内の「環境問題や気候変動への対策をしている機関」を紹介して頂きました。

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他の校舎にも移動。

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どんな事やってるんだろうと黒板を見ると、数学の授業の跡が…

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グラウンドです。お昼休みは子ども達ここで遊んでました。

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図書館(?)で出会った子ども達にもインタビューさせてもらいました。

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彼らもインタビュー慣れしているのか、僕の英語の質問もきちんと理解してくれてその上で丁寧に答えてくれました。

優秀です!

こちらは居残り補習組みでしょうか?よくこんなに入り込んでいけたものです。

日本だったら部外者が学校に無断で入ってきたら問題になるでしょう。(特に女子高や女子大)

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彼らの名前です。

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学校を終えてグラウンド横の日陰のあるところでくつろいでいる子ども達。

僕の持っているカメラに興味深深です。

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この子は絵を描いてるということで見せてもらいました。

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小学生にしては上手い!でも、何の絵だろうか?

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ツバル街中~南部を歩く

学校を後にして、近くのガソリンスタンド

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自転車をレンタルして進んでいくことにしました。

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時々急に雨がふっては、やむというのが何度かありました。

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水たまりで遊ぶ子ども。

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ツバルは年中暖かく、半そでの人が目立ちます。

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こういう日本語で書いている看板を見ると、つい反応してしまいす。

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この建物には、工具がぎっしり。建設会社のようですね。

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鶏は逃げてもどこかで捕まるからでしょうか?放し飼いにされています。

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この建物は飲食店です。ツバルに飲食店と言える建物は2~3くらいしかなかったと思います。

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後は、バイクや工具を扱うミニホームセンターのようなお店と釣具店。

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ここはバイクのレンタルショップです。

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ツバル来て一日目に発見した「ネットカフェ」もあります。今日もなかなか繁盛していました。

子ども達が中で「ネットのゲーム」をしていました。まだ知らない世界中の仲間とオンラインで繋がれるというのは魅力なのかも。

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こちらは船乗りの機関。ツバルの若者は学生を卒業したら船乗りの仕事に就くのがメジャーな進路のようです。

トヨタの車に目が行きました。

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道の外れには犬や猫、ヒヨコなど色々歩き回ってました。

豚も普通に道を歩いています。

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しかしあまり暴れる豚は縛りつけられてました。

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動物虐待…ではないですよね。

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この猫は終始おだやかな表情でした。

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民家では家畜を飼っている家がいくつか見られます。

豚と鶏が飼いやすいのか多いです。どちらも生ゴミを処理してくれるからなのでしょう。

学校から帰った子ども達でしょうか?遊んでたところを通りかかったら、カメラを珍しそうに見てました。

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なので、カメラを向けてみたらこのポーズ。 …こいつら分かってんな~

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みんな知り合いだから協力し合うのが普通

空港の滑走路を南に一直線に行くうち滑走路が終わります。すると村に入るという感じです。

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歩く事20分でまた急に雨が降ってきました。雨宿りしたところが雑貨屋さんということで、中で品物チェック。

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「あの人日本から来た観光客じゃないの?そんな感じで見られてるのでしょうか?_

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雨があがったところで暫く南下していくと、新しく家を建てている人たちに出会いました。

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彼らは建設会社の方なんでしょうか?

聞いてみると、業者でもなんでもない近所の方ばかりだそうです。みんなで仲間の家を建てようということで、地域活動の一つみたいな感覚で作業しているそうです。

ツバルでは家を作るような集まって何かをする時、当然人口が少ないので皆でお互い協力しあいます。

島ならではの素敵な助けあい文化ですね。

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海を見ると光が!だんだん晴れてきました。

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それにしてもツバルは天気の移り変わりが激しいです。

実はこの後また一雨きたんです。

その時に雨宿りしていたら、近くの民家の方が声をかけれくれて家に入れてくれました。

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そこのお父さんと子どもです。話をしてみると、今日お邪魔した学校の副校長先生のいとこさんということでした。

いやいやツバルは狭いです。

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雨が上がったのでお礼を言って、出発。

ツバルの南の方面は塩害でタロイモなど被害が出たといわれています。

だからなのか南にいくほど家畜を持っている家が多いです。

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そんな島の南側、塩害でタロイモの畑など被害を受けた方たちが住んでいる村”カバトエトエ村”に入りました。

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浜辺では護岸工事を行っている人たちが…

そしてついにやってきた南の端。

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そこは、憩いの場というか、飲み屋になっていて、ここでも沢山の空き缶が処理されずに残っていました。

ゴミの処分って難しいものですね。

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さらに道は南に続いていましたが、自転車やバイクだと厳しそうなので、ここで引き返すことに。

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これより南へ行くとこんな感じです。

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長くなりましたので、今回はこれくらいにします。

最後まで読んでいただきありがとうございました

ツバルの町並みを少しでも感じていただければ幸いです。

次回の記事「沈み行く国「ツバル」体験記 学生や道行く人にインタビュー」も是非ご期待ください。

ツバルの国に関して、聞いてみたい事がればお問い合わせからメッセージお願いします。

件名に「ツバルに関して」と書いていただけると、分かりやすくてありがたいです。