沈み行く国「ツバル」体験記 国が力を入れている試み

沈み行く国「ツバル」で今国が力を入れていた試みを紹介

レビュワーの皆さん 閲覧ありがとうございます。

周作twitter:DarvishShu)です。

何回かに分けて、ツバルに行ってきた体験記を書かせていただいています。

旅行中ネット回線が使えなかったので、タイムリーな情報ではないのですが、日本にいる皆さんへ是非シェアしたいと感じ、書かせていただきました。

現地で撮った写真も踏まえてお伝えしているので、プチ旅行にいってきたような感覚で読んでいただければ幸いです。

ツバルに興味がある人はもちろん、どんな国か知らないという方も、違った視点で「国」というものを考えられると思うので、是非最後までお付き合いください。

ツバルの未来に向けた対策(プロジェクト)が行われている
関わっているのは何と日本人チーム

ツバルは気候変動による塩害はあるものの、ブタや鶏を飼ったり、漁業をしたりとそれなりに工夫をしています。

島には木が沢山ありますが、その木の枝を使って漁業用の網を干していたり、釣竿などの手入れをしているおっさんもいました。

でも燃えないゴミが乱雑しているのはどうしても見落とせない部分でした。

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殆どがオーストラリア製の空き缶や空き瓶です。ビールを輸入はするものの、処理場がないということで溜まる一方です。

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海に捨てるというのはツバルを囲む美しい珊瑚の事を考えるとナンセンスだし、燃えないゴミというのはやっかいなものです。

日本の研究機関がスゴイことしてます

ツバル滞在の最終日に、とある日本の研究機関に立ち寄りました。

東京大学の研究チームが運営していて、先発隊でおっちゃんが水槽の管理をしていました。

そのおっちゃんは井手さんと言って海洋プランニングの会社に勤められている方でした。

許可をもらい、ゲートの中に入り、水槽をのぞいてみると、そこに生き物がいるわけでもなく、入っていたのはただの

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しかしこの砂が今後のツバルの鍵を握るもので、この研究が世界初の試みであるということを知ることができました。

原理を聞いたとき自分はえらく興奮していました。

温暖化で沈む本当の原因

まず、自分もここに来る前にあらかじめ予習(?)はしていました。

ツバルはサンゴ礁の島です。サンゴの上に島が成り立っているのです。

今、標高1~3mと低平で、地球温暖化の影響による海面上昇により水没の危機に瀕しているといわれますが、実際この島はサンゴというスポンジのような土台のうえにある島なので、あまり重たい建物などを建てると、スポンジとなっている下の土質が押し付けられ、結果土と土との間から海水が噴出したりして塩害になってしまうことがおきるのです。(簡単に説明すると)

そのため島が水没の危機を持つ原因は温暖化だけではないということです。

日本人がツバルの港をコンクリート舗装して整備したのは良かったものの、それがサンゴを圧迫する結果に!

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土質であるサンゴ礁の白化(死滅)が問題なのです。

ここまでは下調べをしておきましたが、ここの研究機関はもっと夢のあることを調べていました。

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『生態系の修復・復元や,養浜,その運搬・堆積過程の人為的補助をすることで海面上昇に対して復元力を高める』というものです。

そして注目する点はこの内容の中にある”養浜”という点。

名前の通り土を養殖というか水槽で育てているのです。

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聞けば「サンゴと有孔虫の生態調査を行って,砂の生産量を高める」ためだとか。

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この『有孔虫』というのは砂の一種で、ネットででも調べてみるとわかるのですが、環境さえ良ければどんどん増殖していくのです。

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そしてこの砂は防波堤の役割としてとても強く、塩害を食い止める力があるということ。

そしてもともとツバルにあった砂なのです。

それがここ最近の近代化と土壌圧迫でサンゴと共にどんどん減っているということ。

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日本人がツバルにやってきて、港や病院、淡水化装置などを作ってくれたのですが、それが仇になっていた部分もあったのです。

この『有孔虫』が減ってしまったおかげで、どんどん土質が弱くなり、塩害が増えてきたということなのです。

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だったらここで『有孔虫』の生態を研究した後、どんどん増やしていけば、土質も改善して塩害や海面上昇も減らせるのではないかという案。

しかも有効な育て方とどこに埋め立てればいいかさえわかれば、これはツバルの人達だけでも養浜していける。

誰かの支援だけでなく、ツバル人の手でツバルを守っていける可能性のあるこのプロジェクト。

どう感じますか?

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ツバルの人は今、色んな国からの援助で成り立っている部分もあります。

でもそのせいで、食生活が乱れたり、支援頼みになったりしているそうです。

そんな中、こうやって現地の人間自らで出来る自立プロジェクトはとてもナイスアイディアだと思いました。

今後の成果が楽しみです。

井手さんもとても親切に取材に応じてくれました。

日本語なので滅茶苦茶分かりやすい!……って当たり前か。

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その日の夜(最終日)は、案内人の高知人ハルナさんと井手さん、そしてJICAの松舘さんと食事しながらツバルの事を話しました

マリンスポーツするなら天国。しかしツバルはそこまで施設が充実していないのが現状。

勘違いしている人もいるかもしれませんが、ツバルは観光地ではないとのこと。

観光しにいこうと思って行くと、逆につまらなく感じるかもしれません。

「何をしたいか」「なんのためにいくか」…ちょっと考え方が固いかもしれませんが、これらのことをしっかりと抑えていればツバルはとても有意義に過ごせて楽しい所だと。

『有孔虫』の事からゴミの今後まで、ツバルの未来がどうなっていくのかとても注目です。

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今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

日本人の試みが今後どうなっていくのか楽しみですね。

次回の記事は、旅の総括を書かせてもらいました。

「沈み行く国「ツバル」体験記 滞在してみてのまとめ」も是非ご期待ください。

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