主人公の弱さが最大のウリ?の名作ウルトラマン

主人公の弱さが最大のウリな(?)特撮番組

レビュワーの皆さん 閲覧ありがとうございます。

周作twitter:DarvishShu)です。

今回は僕がいくつになっても心離れることがなかった昔の番組の話を紹介します。

それは特撮なんですけど…

皆さんにもその魅力が分かるようにお伝えしますので、今日もよろしくお願いします。

ヒーローが勝つと決まったわけではない!負けることだってある!
子どもたちへ強烈なメッセージ!!

© TSUBURAYA PRODUCTIONS Co., Ltd.

ウルトラ4
番組名はズバリ帰ってきたウルトラマン

知ってる方は世代が……

僕が見たのは再放送です。CGも殆ど無い特撮でしたが、強烈に印象に残りました。

今の子がこんなの見たらほかのウルトラマン見向きもしなくなるんじゃないかというくらいの魅力的な設定でした。

ホントですって!

今回はそんな理由を情熱的にお伝えします。

説明の前に、ウルトラマンはみんな知ってますよね。

その上で進めていきますケドいいですか?

もし知らないという方は以下のサイトをクリックして見てください。

© TSUBURAYA PRODUCTIONS Co., Ltd.
まぁとにかくです。

見てたのは子どもの頃なので当然インパクトは強かったですが、なんで数ある「ウルトラマン」の中で、出戻りの方をチョイスしたのか!?というのが最大のポイント。

心に残った理由はなんですかと聞かれたら僕は迷わず「弱かったから」と答えます。

現に、何勝何敗かは詳しく調べてないですが、結構怪獣にフルボッコにされて退却してるケースが多いです。

だから応援したくなるのでしょうか?

勝てるかどうかの瀬戸際で余計ハラハラしてしまうのでしょうか?

昔の暗黒時代の頃の阪神タイガースが好きだったからなのでしょうか?

そういう中毒にかかっていたのでしょうか?





学校のいじめとはワケが違う、フルボッコウルトラマン

「帰ってきたウルトラマン」の中で、特に印象に残っている話があります。

怪獣一体に対して殆ど歯が立たない状態だというのに、さらにもう一匹出てきて、もう四面楚歌みたいなケースに直面した回。

自分よりもどう見ても強い敵が同時に2体です。

子どものときにこのシーンを見て「絶望」とはかくこういうものだ!というのを見せ付けられたような気がします。

「絶望」のインパクトは、ドラゴンボールに出てくるフリーザ完全体(初期版)の時よりは劣りますが、特撮という番組上、こっちの方が妙にリアリティを感じたものです。

フリーザ5
©バードスタジオ/集英社・東映アニメーション

いじめられっ子に見て欲しい!本当に感動した部分

先ほどのシーンに話を戻します。

2体の怪獣の前に、力の差は歴然……抵抗虚しくやられてしまう出戻りウルトラマン。

ウルトラ2

なんとその後、処刑台に張りつけにされて死の直前まで行きかけるのです。

ケンカとは次元が違いますよね。

ただ僕は、そんな弱かった出戻りウルトラマンに対してただハラハラして、そこだけが印象に残っていたわけではないです。

この話にはまだ続きがあります。そこが重要なのです。

二匹の怪獣からリンチを受けて殺されかけたウルトラマンは、なんとか味方の救助で一命を逃れます。

しかし、相変わらず街を破壊しつくす怪獣を前に、九死に一生を得た主人公は、逃げるどころか、即ウルトラマンに変身してさっきの2体の怪獣に戦いを挑んでいくわけです。

さっきまで殺されかけた相手にも関わらず臆せず向かっていく主人公。

特撮とはいえ、僕はこの時の主人公の勇気に感動しました。

結果としては、周りのサポートもあり辛勝でしたが、僕はそんな結果よりも、あんなにフルボッコにされた後にも関わらず、戦いに挑む主人公の勇敢さに当時めちゃくちゃ感動したのであります。

昔、腕っ節の強いいじめっ子にいじめられたらなかなか怖くて仕返しができなかった。

でもこれはそんな比じゃないですよね。

殺される寸前までの目にあっても恐怖に怯えることなく立ち向かう出戻りウルトラマン。(弱いけど…)

そんな姿にもう「男の生き様」を感じました。

精神的なものでも同じです。

自分は弱いから無理、どうせ負ける… 

自分なんて駄目だ… 

勝てるわけない…

なんて決め付けずに、やるときはハラくくってやってやるんだ!くらいの勇気を持ちたいものです。

当時特撮の脚本家さんがそういうメッセージをこめてこの話を作ったのかどうかはわかりませんが、この第37話「ウルトラマン夕陽に死す」とその次の38話。

僕の中の内なる勇気を何度も呼び起こしてくれる伝説の回になってます。

この後、僕はプロレスが好きになっていくのですが、なんだかこのシーンをプロレスに求めていたのかもしれません。

ドラえもんの名シーンにも共通している部分はある

「ドラえもん」でのび太がドラえもんとの最後の夜(この時は)にジャイアンと決闘する話がありますが、この名シーンを上回ってる…と個人的には思います。

「けんかならドラえもん抜きでやろう!」

こいつカッコええやんか…と思いまいた。(弱いけど…)

ドラエもん

のび太がジャイアンに向かう姿と、出戻りウルトラマンがジャイアン級の相手(しかも2体)にぶつかっていく姿はどうもかぶって見えるのですが、気のせいでしょうか?

そしてこの回で、ウルトラマンシリーズで今でも屈指の名言となっている台詞があります。

ウルトラマンは…死んだ!

これも今思えばなんだか当時の高度経済成長に投じたメッセージ、もしくは警告が込められているというふうに感じずにいられません。

そして「ドラえもん」でのかぶるシーンで発した名言「ぼく一人の力で君に勝た ないと、ドラえもんが安心して未来に帰れないんだ!」もしかり。

いつまでも調和の取れた平和な社会だと思ってあぐらをかいていては駄目だ!

誰かがなんとかしてくれるという甘えから脱却しないといけない。

いつまでもだれかに頼ってばかりじゃ何も変えられない。

自分の足で立ち上がるんだ!

そんな意味合いを「ウルトラマンは…死んだ!」という言葉に込めていたのではないかと感じます。

「ウルトラマン」という名の大企業が潰れる事もあるんです。

そうなった時に「あぁもう駄目だ」という思考回路に行くのではなく、ウルトラマンに依存するのではなく自分達で立ち上がれ!というメッセージをどこかで入れることで、物語という名の人生に奥深さが出てくるのではないか?

ウルトラ5

そんなノスタルジックな話でした。

今は時代が変わってしまったのか、最初からウルトラマンの正体がバレてるケースなど変わった設定もあります。

しかし、今のウルトラマンは非常に勝率が高いです。

でもそれはあんまり応援しがいがないかもしれません。

ヒーローだって弱い一面はあります。

ほっといても勝つよりも、5割くらいの勝率の方が見てるほうも感情輸入できると思います。

そして、負けたときに「自分が今出来ることはなんだろうか?何か自分も力になれないのか?出来ることは無いか?」とかいう自立の心が芽生えていけば良いんではないかと思います。

震災時の復興作業だって、そんな自立の心がないと続きません。

「ウルトラマン」や「ドラえもん」がきっと何とかしてくれる…と心のどこかで思っていれば、本当の意味での成長は出来ないんです。

ドラエもん2

この出戻りウルトラマンからはこんな強いメッセージを感じたし、年代が変わってもお勧めしたい名作です。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。