魅力あるキャラクターの作り方と異世界モノのはしり『このすば』
映画やアニメの様な作品を創る時に、その作品の出来を左右するのが『魅力的なキャラクター』
見てくれる視聴者に強烈な印象を植え付けることが出来ればある意味“勝ち”です。
だからといって、良いとこばかりのパーフェクトヒューマンを生み出しても、人間らしくなくて憧れは抱いても身近に感じる事が出来ないのではないかと思います。
今回「キャラクターの個性が秀逸だな~」と感じた作品があるので紹介させていただきます。
作品の名は「この素晴らしい世界に祝福を!」
なんだか詩集みたいなタイトルです…が内容はかなりコミカルな誰が見ても楽しめるような作品でした。
ファンの間では『このすば』と略されて親しまれています。
この作品を見ようと思ったきっかけは、スマホで遊んでいるゲーム「チェインクロニクル」がコラボイベントでこの作品を紹介してくれたこと。
バカっぽい会話と、妙な女神の抜け具合が印象に残りました。
そこでこの作品をネットで調べてみると…1期&2期の放送が終わった後も熱心なファンがいる人気異世界ファンタジーアニメということが判明。
人気となった理由は、ズバリ他にはない魅力ある「キャラクター」。
今回の感想(レビュー)では、そんな魅力ある愛すべきキャラクターにスポットを当てて紹介させていただきたいと思います。
まずは作品の概要をWikipediaより簡単に作品の概要を紹介
この素晴らしい世界に祝福を!
著者/暁なつめ
イラスト/三嶋くろね
◆放送期間◆
第1期:2016年1月~
第2期:2017年1月~
元はウェブサイト「小説家になろう」にて連載されていたオンライン小説苦労人の主人公/佐藤 和真(さとうかずま)
▼オープニングMOVIEをどうぞ
これだけ見ても、先行き危ないポンコツパーティーというのが分かります。
異世界転生モノのビギナーさんには気軽に見れる作品
この作品の一番の特徴は、人間臭い魅力的なキャラクター達。
知ってる人は分かるけど、ものすごく濃い面々です。
物語が進行していかなくても、その個性の強すぎるメンバーがいるだけで、場をつないでいけるような感じです。
主人公のカズマ君は、特に個性が強いイロモノキャラを、成り行きとはいえ3人も一気に召し抱える(?)ことになり、そのまま物語は進んでいきます。
見てくれは悪くない女性陣ですが、実際の言動がかなりイタイところがあります。
類は友を呼ぶというのでしょうか?
確かに3人ともどこか頭のネジがぶっとんでいるのですが、どこか憎めない部分があり、短所みたいなところが逆に魅力となっているのに途中から気付きます。
この作品を通して、作者が伝えたかったことはおそらく…
まぁ細かい設定はあるにしても、この前途多難のポンコツパーティーの奮闘を、笑いながら楽しんでもらえたらいいのではないかと思います。
カズマ君も絶対的な力はなくとも、現代世界で生きていた時の知識は残っているので、それらを駆使して必死に活路を見出していきます。
もしポカして死んでしまってもすぐに生き返らせてくれるので、だんだん失敗を恐れずに大胆に指揮を取れるようになります。
彼は意外と彼女たちの特性をきちんと見てあげてたんだなというのに途中で気づくのも物語の楽しみの一つです。
彼は生前は引きこもりニートという設定だったのですが、彼の言動をみてたら、言うべき時はハッキリモノを言えるし、現実世界で高校に行ってたとしても男友達が沢山出来て人気者になっていたと思います。
どうしたら魅力的なキャラクターが作れるか
この作品を見るきっかけが「魅力的なキャラ」の構築。
物語を作るうえで、そこに登場する人物に魅力を持たせるために、どういった特徴を考えますか??
ギャップを出したり、変わったスキルを持たせたり、読者の願望を入れたり…
色々ありますが、昔から変わっていない鉄板の魅力の出し方があります。
それは、キャラに分かりやすい弱点を設定するということ。
これは、ウルトラマンあたりから始まり、スラムダンクのような大人気漫画でも使われている手法です。
この点に一度立ち戻り、
「ただ可愛いだけの女性キャラ」というところから、だれが見ても分かるような濃くてイタイ弱点を入れるということで、結果的にアニメ放送が終わった後でも末永く愛されるキャラクターになっています。
この作品の一番秀逸なところは、この分かりやすい弱点を設定したメインキャラクターの魅力をとにかく存分に出しているところです。
ストーリーの進行や物語の目的なんかは二の次なんです。
そこにフォーカスしまくっているから、放送が終わってもインパクトが消えずに人気が続くのです。それはグッズとかの二次商品を見たら分かります。
放送終了後も、実際ゲームやアプリなどで根強い人気を得ています。
とっつきやすいキャラクターなので、学生のファンもパロディ要因としてはよく彼女らのキャラネタを好むようです。
ファン層に合わせたキャラクター設定をするのも一つの方法ですが、これだとそのジャンルのファンに限られてしまい、広がっていきません。
徹底的に魅せる部分をしぼってそこに力を注いでいくというやり方が成功した事例がこの作品だと思います。
ここまで彼らが愛される理由は…
向き合うならどうせ暗くなるのではなく、楽しく向き合いたい。
楽しく向き合いながらきちんと直視したい。
芸人さんみたいに自分の短所でも笑ってネタにできるくらいの強さが欲しい。
そんな部分を彼らが代弁しているのではないかと思います。彼らはトラブルばっかり起こしますが、笑い飛ばして時には開き直って逆ギレしたりしてます。
そしてもっと短所とも向き合えるような自分になりたい。
…それができるようになれば、もうそれはあなたの”短所”じゃなくて“魅力”になってるはずなんだから…
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
だからありのままの自分を受け止めてあげていい。
●頑張るだけでなく、時には自分を甘やかせよう。
●アホはアホとつるむ
●イクときは一緒
●紅魔族という種族はトイレには行かない
●女神だろうがアホなのもいる
●宗教の勧誘の怖さ、恐ろしさを知ろう