感想「慎重勇者」周りに流されず自分軸を崩さないように!

人生は“慎重”なことからスタート

1話目だけ試しに見たらハマってしまい、最後まで見入ってしまった作品がこの作品
『慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる』

笑いのレベルはかなり高く、あとこの物語に出てくる女神たちが個性強すぎてそれが最高のスパイスになっていて非常に面白い作品だと感じました。

特にヒロインが女神なのに、非常に表情豊かな顔芸を持つイロモノなので「女神様~」とかいう感じの高貴なイメージよりもだいぶハードルを落として親近感を持ちつつ見ることが出来ます。

なんというか…「アホな女性コンテスト+顔芸」みたいな感じになっています。

そんな女神たちを演じる声優さんの“何色もの声色を使った魂の叫び”が、滅茶苦茶面白く仕立ててくれています。

女神様を演じている声優さんも、自分の持てる限りの色んなパターンの声質を総動員させて熱演してくれているので印象に残りました。

そんな笑いと感動の構成がしっかりした傑作を紹介させていただきます。

レビュワーの皆さん 閲覧ありがとうございます。

サイト管理人の 周作twitter:DarvishShu)です。

まずはWikipediaより、この作品の簡単な情報を紹介します。

慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる

▲画像をクリックするとHPへ移動します
原 作/土日月
製 作/慎重勇者製作委員会
キャラクターデザイン/戸田麻衣
放送期間/2019年10月~12月

(C)土日月・とよた瑣織/KADOKAWA/慎重勇者製作委員会

女性キャラの魅力新開拓~馬鹿になれ乙女!

 アニメ作品はそんなに数見てないのですが、大体「可愛い」か「美人」な女性キャラというのは、物語を華やかに彩ってくれるのがセオリーです。

しかし、この作品に出てくる女性キャラ(特に女神たち)は鬼のような個性と変態さが目立ってぶっとんでいます。

初登場時は普通の「清楚系」新米女神というイメージでしたが、それは開始5分までの事
ヒロインの位置に当たる女神・リスタルテさんも、ツッコミやリアクションが豊富で視聴者たちを飽きさせません。
※ここは実際に見てもらいたいですね!

思うのですが、「ツッコミ顔」「変顔」のバリエーションが多くて、コレを全種類ステッカーやシールとかにして売ったら人気出るのに…とか感じながら楽しんでました。あとラインスタンプも…(既に出てたらスイマセン)

あと鼻血の出る仕様のリスタルテ人形も作ってほしい。

とにかく女神たちの体を張ったバカなムーブが面白過ぎる。

▼豊富な顔芸もとい表情は一体どれくらいパターンを考えたんだろうかと思うくらい多いです。

(C)土日月・とよた瑣織/KADOKAWA/慎重勇者製作委員会

痴女の概念を軽く飛び越えたようなキャラまでいて、インパクトと笑いの2段構成で、ここ数年のアニメの中では一番笑えました。

▼この方、これでも女神なんです…

(C)土日月・とよた瑣織/KADOKAWA/慎重勇者製作委員会

笑いのパートはしっかりツボにはまるくらいの笑いで攻め立て、ストーリーの部分はきっちり分かりやすく進めているので、要するにメリハリがしっかりしているので、ストーリー構成が上手くできてます。

ストーリーも決して王道ではなく、立ち塞がる敵さんも勇者達の動きを先回りして予想外の作戦をたててきますが、そこは“慎重すぎる”勇者。

人生には(ほどほどの)慎重であることの重要性が分かったような気がします。

慎重とは臆病と似通っているわけではないのです。

きちんと降りかかるであろう災難に備えて準備をすることが慎重と言えます。(ココ大事です!

『レディーパーフェクトリー』とまではいかなくても、自分で納得のいく準備は悔いを残さないようにするためにも必要でしょう。

最初の第1話の導入部分の構成に注目!

女神たちのアホすぎる破天荒さが魅力の「慎重勇者」ですが、この作品を振り返ってみて一番感動というか、他の作品にはない良さがあったなと感じたのが第1話

まあ物語の始まり…導入に当たるところです。

ここにこの作品のスゴさを感じたのでスポットを当てます。

どんな作品も、導入部分が面白ければその後も作品を見続けてくれます。

その後も興味深い内容だったら視聴者をどんどん物語へと引き付けてくれます。

でもアニメというのは一話25分(正確には24分くらい)のスパンです。

この長いようで短い時間でいかに視聴者たちに「初めの掴み」をゲットできるかというのが作り手としては大変重要なのです。

この物語のジャンルは異世界ファンタジー。

物語の世界観を説明してたらそれだけで尺が必要です。
異世界の世界観を説明でもしようものなら時間が足りません。

それに説明セリフやナレーションばっかりが続くとと、肥えたアニメ視聴者にそっぽを向かれてしまいます。

いくらキレイな世界観と音楽で楽しませても限度はあります。

1話目でそっぽを向かれてしまうと、なかなかラストまで見てくれる方が少なくなります。

異世界モノなどは特にですが、物語が始まってからその難しい導入ラインをどうクリアして視聴者を“慎重勇者の世界”に入り込ませていくのかを注目していたのですが…

そこが驚くほど自然に違和感なく入っていけたのです。

1話目で世界観や人物相関などがつかめると、その後のストーリーもほぼ無理なく入っていけるので、最後まで視聴した方も多かったのではないでしょうか?

そのポイントを考えてみました。

地域エリア「日本」というのが説明不要ですんなり入っていけます
2016年くらいから、異世界へ転生するパターンの作品(アニメや小説)が増えた傾向があるのですが、その社会的な流れ自体をそのまま使ったという点。

あと、“日本人”の異世界転生者 という日本人設定を非常にうまく組み合わせているので、ほとんどの方が難なく理解できたのではないかと感じます。

今の現代の日本人がそのまま召喚されたという形でなので、妙な説明セリフもなく、主人公の経緯などなくとも世界観をすぐに理解できました。

勇者に任命された彼も思考(マインド)にブレがないので分かりやすい!

ここがこの作品の非常に優秀な所ではないかと感じます。

物語が始まって15分くらいでもう導入部分は完全に理解できたので、これは作品を作っている構成力が神がかっていると感じました。

まだ「慎重勇者」を見ていない方は、第一話だけでも見てもらいたいくらいです。

本当に物語の導入が上手いです。

これから物語や台本などを作成してみようって方は、この第1話… 非常に参考になると思いますよ。

ツボになった部分を紹介

この作品の中にはあまりにもぶっとんだ女神様達が躍動するので、主人公以外のキャラの言葉やビジュアルが強烈に印象に残りました。

同じように印象的だった部分、ツボにハマった部分をYoutubeにアップしている方がいたので、消されてたらアウトですが、掲載しておきます。

とにかく面白くって、何度も聞いてる癖になってるシーンです。「Oh!Six packs…」

▲個人的ですが、超ツボになってしまいました。100回以上再生してます。

作品の中にこういうのが一個でもあると、それを起点にこの作品を何度も思い出すわけなので、「印象深いシーン」や「個人的にツボなシーン」の存在は大事です。

あと、喪女から恋する乙女へ変貌を遂げたとある女神様の姿。

そして片乳空きの下着紹介シーン。…今思い返しても笑えるくらいのネタなので是非視聴してみて下さい。
※是非アニメで確認していただきたいです。一度見たら忘れません!

主人公に召喚された勇者君は物語を「進める」ための指針みたいなもので、それ以外のアホ女神達が主に話をややこしく、時には脱線させているというイメージでした。

女神たちいなけりゃ物語に味気はないけど、もっと早い段階で問題解決してたんじゃないかと思うくらい足を引っ張りまくっていた女神・リスタルテさん。↓

(C)土日月・とよた瑣織/KADOKAWA/慎重勇者製作委員会
でもラストはとても感動的なフィナーレにしてしまうので、そのギャップをうまく魅せる構成力は大したものです。

作品のレビューを見てみると、「こんなに面白いのになぜ続編(2期)が無いのか不思議」「続編はよ!」みたいなコメントが多かったのも、この作品の人気が伺えます。

周りがアホでも自分軸を崩さないように

最後に召喚された日本育ちの勇者さんの出で立ちについて。

竜宮院 聖哉 (りゅうぐういんせいや)さんと言います。日本でまれに見るハイスペックの持ち主なのですが、彼は決して周りの意見に惑わされずに自分軸をきちんと持った上で目標の完遂に向かっていきます。

▼無理やり異世界に連れてこられた日本人さんですが、驚くほど冷静に状況を理解してくれるので話が早い。

(C)土日月・とよた瑣織/KADOKAWA/慎重勇者製作委員会
イケメンとかは別にして、きちんと「生き方の自分軸」を持っている人は見ていて安心感がありますね。

冒頭でも説明しましたが、「慎重」というものは時には良くない意味で使われることもあります。

でも事前に状況を把握した上で、ゴールまでに何が必要かをしっかり見据え、あとは一心不乱に準備と行動を怠らないというのは、厳しい社会で生きていく上では必要なスキルです。

社会という荒波でもたくましく生き抜くためにも彼の姿は見習うべきところがたくさんあります。

周りを固める女神たちがポンコツばかりだったおかげで、そんな彼の良さがよけいに目立ちましたが、この「彼流の慎重さ」は見習うべきではないでしょうか?

考えさせられたり大いに笑わせてくれたりと賑やかな作品でしたが、あまり真面目になりすぎない部分でこういうメッセージも受け取れるのではないでしょうか。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。