これは時代を先取りした作品なのか!?『干物妹!うまるちゃん』
レビュワーの皆さん 閲覧ありがとうございます。
周作(twitter:DarvishShu)です。
アベマTVの配信サービスを利用して、大好きなプロレスを見始めた頃です。
試合の合間にやたらとこのアニメのCMが流れていたので、気になってきて「人気作品みたいだし、少し見てみようか」という流れからこのアニメを見始めました。
結果としてもしかしてこれは…近未来の“遊びが仕事になる時代”を先取りしたすごい作品では?という斜め上の発見(感想?)と、この作品のヒロインを演じている声優さんの上手さに感服する作品となりました。
多分、皆さんの予想の斜め上を行くようなレビュー(感想)になっていると思いますが、お付き合いいただけると光栄です。
知っている方は、ファンの方にこの記事をシェアしていただければ幸いです。こういう受け止め方してるヤツがいるってことを知ってほしくて。
まずは作品の概要をWikipediaより簡単に紹介。
干物妹!うまるちゃん
作者/サンカクヘッド
★放送期間★
第1期:2015年7月~9月
第2期:2017年10月~12月
『週刊ヤングジャンプ』2013年から2017年まで連載された作品。
▼主人公/土間 埋(どま うまる)
声/田中あいみ
本作の主人公。物語の開始一年前に兄・タイヘイとアパート『コーポ吉田』の201号室にて二人暮らしを始める。作中での表記は「うまる」。髪型は亜麻色のロングヘアー。誕生日は9月26日。身長は“干物妹時”は40センチ、“美妹及びUMR時”は160センチ。血液型はAB型。
伸びたり縮んだりと姿を自由に変えられるスキルを持っている。現実にいたら真剣に怖い。
ゲームのパロディも入った味のあるオープニングVTRをどうぞ
©FURYU Corporation.
自分が予想していたストーリーと違う!
ただ、アニメを見るだけというのは芸がない(?)ので、まず登場人物を一通りチェックした後、どんなストーリーなのかを想像してみました。
このアニメは、1期だけでなく2期や、OVAも出ているので、まぁ人気があるのが伺えます。
クレーンゲーム(UFOキャッチャーとも言います)にも置いてたのを見たことがあります。
自分のストーリー予想としては…
このダラダラ娘「うまる」が兄の背中を見て、ダメな自分を見つめなおし、少しづつ自立して立派な女性(社会人)へと成長する物語 ではないかと考えていました。
もともとの基礎スペックがムダに高いのです。
なんでここまで高く設定したんだ!と思います。
思いやりを持って真摯に行動すれば、仲間もさらに増え、人気者になる学園生活は約束されているようなパラメータです。
女の子がこのアニメを見てたら「こんな高スペックなウーマンに生まれたかった」と感じるのではないでしょうか?
しかし予想に反してこのヒロインであるうまるは、高いパラメータを駆使して何かどでかいことをやってのけるワケでもなく最初から最後までダラダラしていました。
変に欲がないというか…そういう所が良いのでしょうか…
決して人より優れているからといってマウントトークをしたりしなかったので、そこはキャラとして好感がありましたが、現実では見られない表と裏のギャップが見え隠れして面白かったです。
女の子には誰でも「外用の顔」があるってことがよくわかる作品です。
▲男でもないのに、体の一部が状況に応じて“伸びたり縮んたり”します。そして、そんな特殊体質を何事もなく受け止める兄・タイヘイ。
そんな気を張らずにゆる~く生きよう!という事をこの作品を通して作者のサンカクヘッドさんは伝えたかったのかなと感じます。
この作品を見て『あやうく一生懸命生きるところだった』と気づけたら、このアニメを見た収穫はあると思います。
また、お兄さんに位置する男性キャラクター陣が優しくて、妹たちを優しく見守ってあげてたのも和やかで良かったです。
ここに出てくる男性キャラは不器用だけど皆良い人ばかりで、現実もこんな仲間が居たらいいのにな~と感じたりします。それくらい男性陣も良かったです。
“妹”と彼女を取り巻く家族に焦点を当てたドラマ
この物語には、様々な境遇の「妹」が何パターンか出てきます。
妹に特化した「妹アニメ」という感じです。
▲普段家の中ではゴロゴロして、寝ながらゲームして、ジャンクフードとコーラばっかり摂取しているのになぜかプロポーションは良い…。“歩く奇跡”みたいな子です
それぞれのキャラが違った個性を出していて、どのキャラもどことなく変なところがあってそれが魅力になっています。
そしてそれぞれの子に専用の擬音語や擬態語(オノマトペと呼びます)があり、それが彼女らの魅力をさらに引き出しています。
このアホな子は結構面白いです。真剣にアホをするので、一番お気に入りのキャラになりました。
遊びが仕事になる未来にこの作品が注目されるかも
自分が予想していたストーリーは見事に裏切られましたが、だんだん別の感情が芽生えてきました。
それはこのアニメは未来のライフスタイルの楽しみ方を示した作品ではないのか?ということ。
どういう事かというと…
未来の私たちは、AIが発達することで仕事が減ると言われています。
労働が減った未来、人類は余暇をどう過ごすかということに悩む時代が来るのではないかとケインズは説いています。
要約すると2030年くらいから『未来の人類は仕事しなくて良くなって、暇人になるから、歴史上はじめてやることが無いことに悩み始める』ということ。
2030年ってそう遠い先の話ではないですよね。
この年に必ずそうなるかどうかはわかりませんが、ずっと先にはならないであろうその時代に人類はどう生きるかということが問われるわけです。
その時にこのアニメが真っ先に「充実した幸せな事例」として模範になるかもしれないのではないかと思ったので…す…が、ここまで将来を見越して製作委員会はこの作品を作ったわけではないですかね?
今でもインフルエンサーの方が「将来は遊びが仕事になる時代になる」なんて言い方していますので、ケインズの言った事があながち出鱈目ではないと思います。
「遊びが仕事になる時代」になれば、彼女らのありのままの生き方に共感が集まるのではないかと思います。
実際に娯楽が仕事になった場合、彼女のライフスタイルはまさにトップランナー。
まさに時代の先駆者。
“美人すぎるプロゲーマー”みたいな感じで報道されるかもしれません。
これは時代を先取りした作品なのかと感じてしまった自分は、製作者の意図から逸脱した考えなのかもしれません…が、自分と同じように思った方がいるかもしれないので、聞いてみたくなりました。
10年後に再び注目されるアニメになるって流れはないでしょうか?
声優・田中あいみさん ~声優としてのプロフェッショナル
作品を通してもう一つ、インパクトに残ったことがあります。
それはヒロインを演じている声優さんのスキルの高さ。
このヒロイン「うまる」は状況に応じて形態を3パターンに変更することができるのですが、(変身とかではないです。説明がややこしいので割愛します)
初めて見たとき3タイプのうまるをそれぞれ3人の声優が担当しているのではないかと感じていました。
ところが後になってエンドロールを見てたら、全部ひとりでこなしていたことが判明して、この声優さん上手いな~と思いました。
声優さんというのは声を操る職業ではありますが、キャラによっての声の使い分けをしたりと高等な技術も可能です。
これからもいろんな作品で活躍し続けてほしいです。
その人が幸せに生きる事が何よりも大事
やや斜め上のレビューでしたが、全体の感想としては、皆自分のコンプレックスもあると思うけどあるがままを受け入れてくれる人と充実した毎日を送ることが、実りある人生となっていくと思います。
その人が笑顔で幸せだったらそれが何よりも素敵なこと。
見守ってくれる存在がいるから色んな事に頑張れるわけです。
満たされない想いもあれど、皆で補完しあって今を充実させていきましょう。
ゲームは目を悪くしない程度で…時には外出もして体動かして……掃除もして………
いろいろツッコミ所があるのに、なんでこの設定で皆不思議に感じることもなく受け入れているんだ?と見てて立ち止まりたくなる衝動はありましたが、細かい設定を気にせずゆる~く見れる作品でした。(気にしだすと止まらないので…)
意外と社畜扱いされて社会で窮屈に感じている大人向けのアニメかもしれません。
▲彼女が登場する時、度々キラキラした光を振りまいたり、後光が射したりするエフェクトがあるのですが、彼女は一体何を体に振りまきながら歩いているんだと感じることがあります。体中に「蛍光塗料」塗りたくっているわけではないみたいだし…
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。