料理好きな人は飲食店で働かない方が良いと思います
今回のタイトルは、やや矛盾している内容ではないかと思われるかも知れてませんが、構わなければ一度読んでみていただきたいです。
実体験からその理由(ワケ)をお伝えします。
でも飲食業界を否定している訳ではないのでご理解いただきたいです。
レビュワーの皆さん 閲覧ありがとうございます。
周作(twitter:DarvishShu)です。
今回は一見矛盾したタイトルを紐解いていきたいと思います。
実体験と飲食業の現状を考えつつ書かせていただきます。
自分自身、飲食業(フードデリバリー、弁当屋なども含む)では今まで合計2年間ほど働かせていただきました。業態はアルバイトなので3~4店程です。
アルバイトとして飲食業をチョイスしたのはもちろん料理することが好きだったから。
この仕事をすることで、もっと自分の料理の腕を磨き、レパートリーを増やしたい!と考えたからです。
趣味に料理があれば結構「家暮らし」が充実します。
まぁ作りすぎてしまう事による「太り暮らし」にならないように気をつけた食生活を心掛けないといけませんけど…
料理に限らず、創作活動が好きなので、飲食店で働けるのを機会にもっと奥深い所まで料理という世界に踏み込みたいと考えていました。
しかし飲食店で働いているうちにそんな気持ちが消えてしまい、辞める頃には何をやっていたんだろう…という感情が多かったです。
料理ではなく“作業”という感覚
大体初日から厨房に入って早速仕事に取り掛かります。
消毒液を振り掛けてから掃除~仕込みに入ります。
どんな仕事も忙しいものですが、料理をしているという感覚がどんどんなくなってくるのを感じます。
なんというか…料理をするというよりルーティンワークをしているような感覚。
お客様に美味しいものを提供しよう…というのではなく、いかに早く盛り付けて配膳するかという部分が大事になってきます。
じっくりコトコトやってたら人気店ならあっという間に後が閊えてしまい厨房が修羅場になります。
これは聞いた話のですが、有名ホテルなどの団体向けのイベント(結婚式などの式典等)に出すコース料理などは、厨房が戦場みたいになるようです。
もう怒号が飛び交う中、鬼の形相でシェフ達が高速で料理を仕上げていくという感じで、まさに先に作ったもの勝ちのタイムアタックみたいな競技になります。
どんくさいスタッフは包丁の裏側で頭をスコーンとどつかれます。
規模によりますが、そんな多忙な厨房でほんわかしながら「どんな料理で喜んでもらおうか~」なんてゆるーく考えているドンくさい人間が入ってきたら、あっという間に置いてきぼり食らって厨房から放り出される、もしくは皿洗いのループに入れられる羽目になります。
飲食業の厨房は“時間”との闘いなのです。
お弁当屋さんもしかり。
昼の配達ルートが決まっているなら、それまでに指定の数の弁当を仕上げて車で回っていかないといけません。
町内の回るお店&施設が20件くらいだったので11時20分までにはすべてのお弁当をバン(車)に詰め込み、あとはあくまで安全運転を心がけながら必死の配達作業に向かいます。
時間に追われ、料理らしい事は殆どできませんでした。
ご飯を茶碗伝いで一定のグラム計りをしたり、書かれた通りの分量の調合をして調味料やサラダを仕上げるなどとにかく急いでやることが何よりも求められました。その次が正確さ。
▼サイドメニューを作るのは早くなった…かも。
言われた事を正確にこなすスピードが求められる
僕は正直あまり器用な方ではなかった…いやいや、ドンくさい方なので、いつもフルパワーで動いていました。
それでやっと周りについていけるか…というところ。
飲食業というのは、入った注文&言われたことを正確に覚えてて無難にこなす器用さとスピードが極めて大切です。
学校の勉強と少し似てますね。
暗記力があり、手崎が器用な人が向いてます。
家でじっくりコトコト色んなダシになりそうな素材を煮込みながら、いろんな調味料を試してみたりして味の可能性を探究したり…
そんな時間は皆無です。
絶えず入る注文を時間までに仕上げてお客様に出す!
そこにフォーカスしておかないと不器用な人種はあっという間に取り残されます。
常に緊張感を持って仕事に取り組むという面に関しては良いことだと感じたものの、俺は何のために必死で時間と戦ってているんだ…お金の為か…とふとむなしく感じる事もありました。
料理がしたい…と思うなら自分の家でじっくりやる方が、正直実りある時間が送れます。
飲食店は料理をする仕事ではない
自分はお弁当のケースやお皿などの配膳~お客の注文を取りまとめて料理の配膳をしていく仕事が多かった。
シェフや店長でない限り、必ずしも料理が仕事ではないのです。
飲食店で働いてみて、いくらか不器用なのが改善されたというメリットはありましたが、料理する事に対するスキルは上がりませんでした。
でも働けたという事は良い体験だったと思って次へ進もう!と思いました…が、後味の悪い経験もしました。
見過ごせない 仕込みと廃棄の現実
日本人は毎日3000万食の食べ残し(フードロス)があるという事実を知っていますか?
日本では貧困国に送られる食料の倍の量を捨てているとも言われています。
そのフードロスは、やっぱり飲食店関係から一番多いのではないかと思います。
結構大きいフードデリバリーの仕事をしたことがあるのですが、注文の時間が終了したらまだ全然食べれるような食品(賞味期限切れではないです!)をドンドンゴミ箱に放り込んでいたのが衝撃的でした。
食べものを一体なんだと思っているんだ…世界では飢餓で苦しんでいる人がごまんといるのに…
食べモノを扱う人間として、お金は稼いでいかないといけませんが、こういうもったいない感覚がマヒしてしまってはいけないと思います。
飲食店でも仕込みをしたものが腐ってしまうと全て捨ててしまいます。
だったら全部とはいかないと思うけど、提供するモノを冷凍食品にすればいいんじゃないか?と感じたりはしますが、世間からの人気のお店の条件は手作りの料理を提供してくれるお店だそうです。
消費者は勝手なものです。
でも生モノを仕込んでおいて売り切れないと廃棄になります。
当然ですが、飲食店はたくさんの注文数に対応できることを見越して多めに食品を仕込みます。食べ放題のお店なんかは特に多めにストックを考えておかないといけません。
そして飲食店は町中へ行けばわかりますが、様々なジャルのお店が溢れています。
東京の新橋や新宿なんかは、四方に絶え間なく飲食店がひしめいています。
居酒屋一つを取ってもどこに行けばいいのか分からなくなるくらい…
そして、お店の数だけ廃棄があります。
このフードロスの流れはコロナの影響があったとはいえ、そう簡単に改善されないでしょう。
飲食店を経験して感じた廃棄の量。
お互いの店で切磋琢磨して売上を増やしていくだけでは決して改善されない問題、…水商売全体で考えていかないといけない課題は多いですね。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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