アニオリに思う所あり
放送される前からレビューを皆さんと是非シェアさせていただきたいと感じていた今回の作品 2025年にリメイクされた「るろうに剣心」

この作品の原作はジャンプコミックで、連載されている時自分は大学生だったのを覚えています。
漫画連載は今も“北海道編”が続いています。
当時のるろうに剣心もとい“るろ剣”の人気はすさまじく、単行本巻之1が書店で瞬く間に売り切れていたのを覚えています。
剣を交えるアクションが新たな漫画での表現方法の開拓みたいで印象深いシーンがいくつもあります。
“九頭龍閃”など技の名前だけでなくエフェクトも唯一無二のものばかりで本当に楽しみにしながら連載を楽しんでいたのは良い思い出です。
単行本が飛ぶように売れていたので、当然アニメ化もあっという間に決定。
しかしアニメの作画が変なテイストで、見かねた原作者の和月伸宏さんがアニメーターの方々に指導まで行ったとか行かないとか色々な逸話もあります。
それくらい21世紀前後に連載されていた“るろ剣”はジャンプの黄金期を支えた大人気作品でした。
その作品が20年ほどの月日を得てリメイク。
今度のアニメは原作者の和月さんが監修として関わっているということで、放送が決まってからはかなり期待していました。
自分の若いころに一番影響を受けた作品でもあります。
志々雄との戦闘シーン(5連撃の所)はその迫力に感服のあまり何度も模写したりしてました。だから分かる人にはわかると思いますが、自分は“和月組”の残党みたいなつもりでいます。
レビュワーの皆さん 閲覧いただきありがとうございます。
周作(x.com/DarvishShu)です。
自分の学生時代の漫画のバイブルみたいな作品“るろ剣”のリメイクアニメのレビューをコアなファンだった一人として書かせていただきます。
コアファンだったからこそアニオリに関しては色々感じる部分もありました。
単純な賛否なんていう浅い所ではないので、想いを皆さんとシェアできればと感じています。
古くからのファンの人も、新規ファンの方も是非お付き合いください。

今なら理解できる敵キャラ達
主人公はこの35を超えた中年のおっさん、緋村剣心さん。

1期の冒頭から王道の展開が繰り広げられるので、初めての視聴者にも分かりにくいと感じるストレスはなく、自然に見ていけると思います。
随所で明治という歴史に触れながら楽しめる温故知新アニメにもなっています。

当時自分は明治維新後の日本の動きや新選組についてあまり詳しく知りませんでした。
だから明治以降の歴史を学ぶきっかけになったのがこの作品とも言えます。

さて、視聴を進めていく中で物語の最中には必ず剣心達に立ちはだかる勢力が出てきます。
どうしても昔漫画から感じた事を思い出しながら見てしまうのですが…

相手側にも行動の理由(ワケ)があります。
そういう深みに当時学生の時はあまり目が行ってなかったな~というのは新鮮な気付きでした。
自分達も就職氷河期の世代ですので、時代に翻弄されてババ引かされて擦れてしまった輩の気持ちも少しは分かります。
るろ剣の深い部分にやっと理解できたように感じます。
1期のストーリーの中ではふとアニオリの部分が入ったりして、内容を知っている人間も楽しめるようになっていました。

単にリメイクするだけでなく、物語に深みを出しているんだなと制作陣の心遣い感じます。
しかしアニオリ部分が全て良かったと感じたわけではないのが難しい所です。
物語の舞台は“るろ剣”でも最も盛り上がった京都編へと移っていきます。
※ちなみに京都編は2期からという区分けになります。
アニオリがどう繋がっていくのかが不透明
物語は2期。


アニオリ部分の内容に関して『京都動乱 製作委員会』にモノ申すつもりは無いのですが、このアニオリを加えた事で原作と比べてさらに物語に厚みが加わっていくのか?
これは盛り上がっていくための要素なのかと感じる部分があります。
この機会に当時出番の少なかった10本刀の魅力をもっと出してほしい…とか個人的に感じていた所なのですが…
一番気になったのは、京都動乱の志々雄サイドの衛兵達のマインド。

それぞれ新政府に不満を持ち、思う所があって志々雄一派に加わったのだと思いますが、中途半端な覚悟のまま志々雄一派に入った人間もいるんです。
覚悟を決めずに入隊した人間の存在……
闘いの現場にまで来ておいて“やっぱりやめよう”なんてこと言いだしたら味方全員興ざめします。
もう少し突っ込んで言わせてもらうと、本気の信念を持って戦う覚悟の無い人間が戦いの渦中に来ては駄目なんです。
自分の命がかかっている本当の戦争ではありえない事です。遊びじゃないんです。

政府側(敵側になります)からしてもこいつはどう処置をすればよいか分からないですし、戦う前から覚悟が出来ていない人間が戦火に居るのはどう考えても不自然に映ります。
そんな半端な気持ちで志々雄一派に与したのかと思うと、なんだか冷めてしまいます。
闘いは決して良いものではないですが、お互いの信念と信念のぶつかり合いです。

そんな気持ちの踏ん切りが出来ていない人間の生末などをアニオリとして付け加えても盛り上がりは見出せません。
リアルに考えたらとても迷惑で邪魔です。
物語に深みを持たせるために、1期のような感じで敵側の心理描写もしっかり描こうとしたのだと思いますが、戦いの最中そんな部分を見せられても困ります。
初見の方だと「本気で戦う覚悟の無い人間が志々雄側にはいるのか…なら勝てるわけないよな~」と感じてしまうのではないでしょうか?
あと、人物の立ち位置、アングル、構図が単調なのでいまいち京都でのぶつかり合いに迫力が出ないのも古参ファンとしてはもどかしく感じる所です。

漫画だと奇抜なアングルや迫力ある集中線などで躍動感ある京都を描いていたのですが、アニメだと夜というのもあってかなんだか静か~な中で局地戦がポツポツ行われているような感じの京都大火編で……迫力が……無い!と感じているのは自分だけではないはずです。
最終決戦である志々雄達との戦闘が始まれば、また派手なアクションを挟みながら盛り上がっていくことが予想できますが、それまでに視聴者を盛り下げてしまってどうするんだという流れになっています。

メインイベントまでに見ているお客さんのボルテージを暖める部分なんだから…ともどかしい気持ちになりました。

その最中、いまいち緊迫感に欠けるシーンが付け加えられていて、新規の視聴者に“るろ剣”を勧めづらいです。
“るろ剣”のストーリーは京都編の後ももちろん続いていきます。

物語に深みを出すためにアニオリを入れるという“カメラ”を増やす手法は登場人物の少ない1期では有効だったのですが、人間が複雑に絡み合う2期では…苦戦しているように感じます。
20年前、大ヒットコンテンツだった“るろ剣”。
当時のファンも健在ですし(当たり前ですが…)ポテンシャルは高い作品なので、古参ファンにも今のファンにも緊張と感動を分かち合えるような終着点を目指してほしいです。

声優さんの難しい所
僕は声優さんではないのであまり偉そうに講釈たれるわけにもいかないですが、アニメ声優の演じる難しさを感じるシーンがいくつかありましたので、シェアさせていただきたいと思います。
それは怒りのシーンでの声の発し方。
メインキャラである剣心や左之助。
作中屈指の人気キャラですし、ファンも沢山います。
しかし彼らの喜怒哀楽の部分で“やっぱりアニメの域は超えられないのかなぁ”と感じる所があります。
それが怒った時の声。

カッコよく怒りの声を発しているという感じで、本当に彼らは怒っているのかという感覚になる事があります。
特に真剣を交える場。
そんな殺伐とした中でもカッコイイボイスを通すだけがキャラではないと思います。
ヒロイン的立場である神谷薫さんしかり、人間は本気で泣くときは “うわあああああん”とか“いやああああ” という感じで泣いたりはしないです。
男だろうが女だろうが本気で思いの丈を叫ぶからこそ腹の底から“ウオオオオオオオォォ”と声を張り上げて泣くそうです。
コミカルなシーンもある“るろ剣”ですが、生きるか死ぬかの殺伐としたシーンではカッコよさよりも緊迫感を出してほしかった。
生きるためになりふり構わずに声を張上げるようなリアルな“生声”があっても良いかと思います。

左之助も決して無暗に“技名を叫んでから放つタイプ”じゃなかろうに…
そんな気持ちで見てました。
酷かったのは左之助と佐渡島方治の原作にはない煉獄という船の中での絡み…

この部分は本当に和月さんが考えたというか監修した追加シーンなの?と不思議に感じる部分もあります。
自分にとっては原作漫画が人生のバイブルなだけによけいに感じます。
盛り下がるようなシーンは勿論、入れる事によって後々盛り上がりの伏線に繋がらないであろうシーンは入れないでほしい…と。
尺の調整でもない限りは、もう原作に忠実に作っていった方が良いのではないかと感じたのですが、皆さんはどう感じましたか?
名作として令和の今でも語り継がれる作品であってほしいのです。
明治時代を知るきっかけにもなる作品ですので、もっと古参ファンと今のファンと一体となって盛り上がっていってほしいと切に願います。
大好きな作品なので、3期が放映されたら必ずレビューを書こうと思っています。


























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