Chapter4 人生で最初の転換期へ。現状を変えたいのなら己の意地を見せて立ち向かえ!

人生で最初の転換期。変えたいのなら己の意地を見せろ

一人マンションを借りて、父親の紹介で会社に入社できた自分は、会社に振り回されながらもなんとか食らいついていこうと真面目に働いていました。

紹介してもらったという恩恵があったので、それに報いるためにもきちんと働く事が何よりもの恩返し!

昔からとても不器用な部分がある自分でしたが、真面目にやっていれば解雇される事は無いと信じ、はじめの一年は業務だけに集中していたと思います。

まずは、貯金をして生活の基盤を作ろう。

そして親にもらったチャンスを活かし今度こそ社会人としてやっていこう。

しかしお金を儲けると言うのはきれいごとばかりがまかり通る世界ではなかったのです。

見聞を広めようと感じて色々出向くようになった

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会社が休みの日は、自分の見聞を広めるためにいろんな活動や講演会に参加したものでした。

なにせ、世間を知らなさ過ぎたゆえに今までえらい苦労してきたわけです。

これからはもっと社会のしくみや、世間を知る事が大事だと、ジャンルを問わずいろんな人の話を聞いてみました。

日本の文化を学ぶ会(仮名)や世界の紛争地などで活躍してたジャーナリストさん達。

会社内では社会の仕組みを、それ以外のプライベートでは世間の流れを学んでいました。

いろんな考え方が身についたのは良かったですし、せっかく生きてるんだから世界の平和のためにもっと色んな事をしてみたい。

「グローバル社会」なんて言われているんだから、日本だけでなくもっと海外へ目を向けてみたい。

当時の僕はぼんやりとそんな未来へのイメージを描いていました。

しかし学生時代、英語がからっきし駄目だった自分には海外で暮らすなんてさすがに無理だと心のどこかで思っていたのは事実。

世界を渡り歩きながら仕事が出来ればいいのになぁ…と地球儀を見ながら想いふけるようになりました。

そんな想いが芽生えたのも世間が広がったという事だと思います。

振り返ってみても半年前の自分なら、生活のためのお金を追い求めるばかりで全く回りが見えていませんでした。

「お金のため」「生きていくため」ってなってしまうと、それ自体を否定はしませんが、いつの間にか視野が狭くなってしまいます。

広い視野で物事を見るためにも見聞を広めるのは大事だなと感じていました。

しかしそんな世界への関心が発端となり後に、衝突してしまう事件が起こります。

思考低下しはじめた普通の毎日

仕事は理不尽な事や納得いかないことも沢山ありました。

でも殴られたり怒鳴りつけられたりすることはなかった。

愚直にやるべきことはこなしていたからだと思います。

でも振り返ってみれば、言われた事しかやらなくなり、思考停止状態になっていたかもしません。

仕事自体が楽しいものでなかったから、月日が経つごとに出てくるノルマ作業みたいな感覚になっていたのだと思います。

そして毎日に対して物足りなさを感じはじめていたのも事実でした。

会社という組織が売り上げを常に上げて社会に台頭していくには、綺麗事だけではいかないことが沢山あります。

当時話題になり、各新聞や報道番組で大きく報じられた姉歯建築事務所の耐震強度偽装事件は、その事件の過程などから考えてものすごくリアルに感じました。

ゼネコンのピンハネの実態や下請けの会社の実態、見えない服従関係など日本にもう根付いてしまって取り除く事さえできない関係性に社会の縮図を見てきました。

(今回、そこを詳しく書くのは伝えたい方向性がおかしくなると思うので伏せておきます。)

…が、そこはもう昔の自分じゃあないです。

「会社としてここがおかしい!改善するべきだ!談合なんて駄目だ!!」なんて世間知らずな抗議をしたりはしません。

自分の意思は置いておいて、目の前の仕事をこなす事のみに目を向けてました。

働いていく中で、納得いかない事は沢山あるけど、それにクビを突っ込んでも良いことは無い…

自分一人ではどうしようも出来ないんだし…。

どこかで自分は世間の流れに無難に乗る事しか考えなくなってしまったのです。

世渡り上手とまではいかないですが、今は自分の基盤を固めるための準備期間だと。

今の働いている社員としての地位をわざわざ蹴ってまで、また危険な目にあうくらいならこのままでいいと。

そんな中、海外でとある事件が起きます。

己のアイデンティティと向き合った日々

2001年 海の向こうで戦争が始まってしまいます。

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アメリカ同時多発テロ事件発生から始まった地下資源の利権を巡る湾岸戦争です。

そこで、アフガニスタンの地がが戦争に巻き込まれてしまったのです。

難しいいきさつもあるのですがあまり詳しくは書きません。詳しくは以下サイトをどうぞ。

日本からも自衛隊を派遣するということが、憲法9条に違反しているということでかなり論争になりました。

日本人が現地で人質になったというあたりからメディアでもさらに過熱に報道しはじめました。

そして大規模な自衛隊派遣反対の声や、デモが日本各地で起こったのも覚えています。

僕はアフガニスタン現地で支援活動をしていた方の講演を聞きにいってたので、アフガニスタンの現状がどんな感じかとか、アメリカ側がどんだけ理不尽な事をしているかというのを当時リアルに知る事が出来てました。

そしてアフガンの人たちはどうしようもない中、苦肉の策で人質作戦を敢行したこと等。

仕事外の事で自分はとても心を痛めていました。

自分の力では何とも出来ない無力感を感じながらも淡々と仕事をしている自分に違和感を感じながら過ごしていたと思います。

それでも当時僕が尊敬していた中村 哲さんというアフガニスタンで活動していたお医者さんがいて、プライベートでは、彼のドキュメンタリー漫画をよく読んで広めたりしていました。

▼「汚れた弾丸」 講談社コミックス

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この話、詳しい詳細を話すと難しくなりそうなので、中村さんのコメントの抜粋でひとまず終わりにします。

『これからの若い人たちには、大人たちの言うことが全て正しい事なのか、一度疑いの目(まなこ)で見つめ直すということも考えて欲しい。

本当の真実は何なのか?

何が正しくて何が間違っているのか… 

それを見極める事の出来る人になってもらいたい。』
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話を戻します。

この戦争には何の大儀もないし、一部の金持ちの財産や利権が動くだけ。

人質という手段をとるしかない相手も辛いと思う。

そんな悲しくてやるせない気持ちが渦巻いていたある職場の昼食時の出来事でした。

社長と常務と3人で近くの店へ移動。

食事をとっていたら、お昼のワイドショーか何かでしょうか。

店のテレビごしにアフガニスタンの人質問題&自衛隊派遣のニュースが報道されていました。

僕はそのニュースをただ耳にいれながら黙って昼食をとっていたのですが、突然社長がキレたような口調で「あの人質で捕まったやつは日本にどれだけ迷惑をかけていると思ってるんだ!あんなのは死んでしまえばいいんだ!」という内容の事を話し始めました。

「もうさっさと自衛隊を派遣してしまえばいい」とか「アフガンが全て悪い」みたいな事を話し始めたのです。

僕は内心腹がたって仕方なかったのですが、もう自分は昔の自分とは違う!…そう言い聞かせて気持ちを押し殺し、昼食をだまって口に運んでいました。

食事の味は感じられなかったです。

ところが社長は怒りに任せて僕に同意を求めてきたのです。

「あんな迷惑な人質は死んでしまえばいいんだ。お前もそう思うやろう!」てな感じでしょうか?

僕はコップの水を顔面にぶっかけてしまいたい気持ちを押さえ、穏やかな顔で無難な精一杯の返答をしました。

『はい。社長はそう思われるんですね。』

…するとです。

社長の箸が突然止まって、こちらを睨みつけてきました。

「おい。お前!社長はって、“は”って何や。何が“社長は”や!」

急にこちらに向けて色々突っかかってきました。

お店の中という事だったので、常務がなだめてその場は何事もなく終わったのですが、その後社長室に呼ばれ、僕はなんと一時間もこの件で非難を受けるのです。

会社内での失態で叱咤を受けるのは理解できます。

しかし、今回のは何だ?

俺は一言しか言ってないのに…

言われた内容は今でもよく覚えています。

・お前はどうも考え方が世間とずれている変人だ

・お前は根本的に考え方がおかしい

・世間から見て変な人間になる可能性がある

・人間的に間違っている

・傲慢だ

…傲慢って、一言返しただけで傲慢か… お前の「イエスマン」になれと言うことなのか?

また、「お前は不幸を愛する傾向にある」とまで言われました。

もう一度言いますが、自分は一言しか言ってないのに、なぜここまで言われないといけないものなのか?

仕事のミスならいざ知らず、なんでこんなに自分の人格を否定されにゃならんのだ!

僕は、悔しくてたまらなかったです。

自分の考えをほんの少し言っただけなのに、自分のアイデンティティみたいなものをボロカス言われた事が悔しくて。

そっちだって■■や□□とか色々やってるのに、何で人の事をここまで否定できるんだ!

お前は何様だ!

人の人生を否定する筋合いがあるのか?

そんな想いがぐるぐる回っていました。

それと、自分の中で今まで押し殺していた「何か」が、堰を切ったように一気にあふれ出た瞬間でもありました。

ちなみに、この時の僕の頭の中を、分かりやすくショートムービーでまとめちゃいました!

▼どうぞ♪

会社のミスは自分の責任、しかし人格まで否定される筋合いはない!

僕は今まで自分の人生に責任持って生きてなかったところがありました。

しかし、少なくとも自分の感情に嘘はつかず、自分の良心には正直に生きてきました。

そんな自分の人格をここまで非難されたのは初めてでした。

そして、その日から僕は会社と社長が大嫌いになってしまいました。

こうなってしまうともうブレーキというか感情の歯止めがききません。

今まで社会に対して不満はあっても、自分には何も出来ないと感情を溜め込んでいたのも手伝いました。

会社って言うものは利益のパーセンテージで一番取るのは大体社長です。

自分がいくら働いて会社のために利益上げても、その給料の大部分は社長の懐に入ると思うと、もう真面目に仕事をする気持ちはなくなってしまいました。

そして、これから自分をボロカス言った人間を見返すために何をして生きていくかの模索ばかりをするようになりました。

…ただ、昔の苦い思い出も少し頭をよぎりました。

今回も自分の筋を突き通した結果のバカな選択か…?

どうなんだろうか……?

いろんな考え方はあります。

ただ、会社が嫌いなまま定年まで働くという考え方はどう考えてもマトモではないと感じました。

担当していた仕事にきっちりケリをつけた後、退社を申し出ました。

親には会社辞めたことは伏せていました。

そしてここから以前より暖めていた案件で一つ勝負をかけようとします。

しかしそれは世間のあまりにも大きすぎる波に立ち向かう、今考えると無謀なチャレンジでした。

ただ、自分がその時(会社を退社した時)決意した事を今もしっかり覚えています。

自分の選んだ道や生き方だって幸せになれるんだってことを証明したい!

正しい生き方なんて一つなんかじゃない!

それを証明するためにも絶対に自分は幸せになるんだ! …と。

今の現状に不満があって変えたいのなら、己が動くしかない

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会社の不満ばかりを居酒屋やクラブで事細かに話す人は多いです。

でもそういう人に限って何もしません

この後もいろんな仕事を経験していきますが、文句だけ言って何もしない大人が多すぎます。

「君は良いなぁ。自由で羨ましいなぁ。

 僕なんかまるで籠(かご)の中の鳥だ。

 今日が終わったらまたかごの中に入らないといけない。」

居酒屋でこう言ってくる知り合いがいましたが、そんなに今の環境に不満があるのなら、籠とやらから出ればいいんです。

でも結局、籠から出る事は無い。

でも現状を変えたいのなら自分から動くしかないのです。

籠から出る覚悟も無いのに文句や愚痴ばかり言いすぎなんです。

そして「自由」の意味も分からずに良い部分だけをとらえすぎなんですね。

思い切って「自分の人生を変える」と決めたらいいだけなのに。

変わるのが怖いってのはある程度分かります。

でも「怖い」という感情ときちんと向き合わずにそのままにしているから、現状から行動に移せないのです。

しかし、明日死ぬとしたら…あと一週間の命だとしたらあなたはまだその会社で働き続けますか?

文句を言う事自体は決して悪いことではないと思います。

だってきちんと自分の意見(考え)を言えるって事ですから。

…ただ、文句だけ言って終わり の大人は最高にカッコ悪いです。

そんな文句や言い訳だけの大人に自由を生きる資格はありません。

子どもは大人の背中を見て育ちます。

後に、子どもたちと接する機会が何度かあったのですが、言い訳ばかり言う大人の背中を子どもには絶対に見せないようにしようと決心したものです。

偉そうに書いてはみたものの、当時の自分は決断するのにやっぱり躊躇しました。

貯金はあったのですが、また社会に放り出される恐怖感から抜け出せなかったわけです。

親に対して後ろめたい部分もありました。

…でも最終的に決め手になったのは、自分がこの決断に責任を持てるかという事でした。

学生のときまでは、常に誰かにやらされれいる感の下、怠惰な毎日を送っていました。

自分で選択する事を放棄し、人に決めてもらってた。

そして不満ばかり言ってた…

自分の人生に真剣に生きてなかった。

でもこれからは違う!

自分の人生に責任を持って、自分で選択していくんだと。

こうして、今までの貯金を切り崩しながらあるチャレンジに踏み切ることとなります。

ここから自分で、「選択」をして生きはじめます。

Chapter5(準備中) 生き様を賭けたチャレンジ…そこから開けた出会い。
映画カメラマンから世界が広がった
kimero
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

より分かりやすく読みやすい記事を心がけていますので、気になった点や分かりにくい部分があれば是非コメントをお願いします。

個人的なコメントでも結構ですので宜しくお願いします。