感想「2.5次元の誘惑」想像してたものより何倍も良かった!

自分の中で眠っている熱い情熱を呼び覚ましてくれる名作

この度は閲覧いただきありがとうございます。

周作x.com/DarvishShu)です。

今回紹介したい作品がコスプレをテーマにしたアニメ「2.5次元の誘惑」

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
コスプレの世界は殆ど知りませんでした。

しかし『その着せ替え人形は恋をする』という作品に出会ってから見方もかなり変わりましたし偏見も無くなりました。
※レビューも書かせてもらっています。

コスプレの世界を知らない人にも、ラブコメを交えながら分かりやすく伝えてくれたので、知識としては少しつきました。

そんな中、また似たようなジャンルが話題になってきているという事で視聴をしてみることに。

まずは物語の内容を想像…

ピンク髪の天乃さんというこの元気なヒロインが、コスプレの世界に乗り込んで、物語を掻きまわしていくんだろうな…というのはなんとなく予想できます。恐らくこれはラブコメ主体に進んでいくんだろう…

彼女の特徴の一つは、所構わずポンポン脱ぐ事。冷静に考えたら最高やん!
物語の流れとしては……
コスプレに関する知識がない人にも楽しんでもらうためにも、始めは『きせ恋戦法』のようにお色気で視聴者さん達を惹きつけておいて、そこから具体的なコスプレの楽しさを伝えていきつつ…だんだんプロのコスプレの世界へと踏み込んでいく…
©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
2クールにわたって放送されるんだから、そんな流れできっとコスプレの魅力と業界について段階を踏みながら紹介していく作品なんだろうな~というのを予想していました。
©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
でも蓋を開けてみたら、まったく違っていました。

コスプレの魅力を伝えるという部分は間違ってないのですが、もっと人が何かに惹かれたその時感じたの純粋な気持ちを忘れないでほしいというすごく大事なテーマを扱ってくれているように感じました。

この作品は早々と2期の作成が決定したのですが、それも納得です。

結果として後半につれて、自分の童心に触れることが出来たような感覚が得られて、予想していたものより何倍も良かったです。

だからこそレビューを書かせていただきますのでよろしくお願いします。





色んな要素が入っているけど全ての構成が良い


このPVを見ただけだと、コスプレイヤーさんや学生向けのラブコメ作品みたいな感じがしますが、先ほど書いた通りそんな薄い作品ではなかったです。

30代や40代にだって刺さる内容だと感じます。

自分がまだ幼いころ、何かに心惹かれた時。“キュン”としたあの時の気持ちを忘れないで!あなたの気持ちを不意に動かしてくれたあの瞬間を大事にしてほしい!と呼びかけられているような気持ちになる奥深いエピソードが満載でした。(後半のエピソードになりますが)

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
特に後半は他作品には無い良さがあります。というか他作品を寄せ付けないくらい純粋で感動するエピソードがあります。
©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
ネタバレはなしにしますが、めっちゃ良いです!

2クール放送にしているのに大いに納得しました。

ある程度大人になって、昔好きだったものや強烈に刺さったもの、熱くなれた思い出に対してどこか冷めてしまった方々にまさに見てもらいたいのです。

そう考えると若者だけじゃなくて中年の人にも見てもらいたい…

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誰にだって今は情熱が冷めていたとしても昔は周りが見えなくなる程夢中になれた事ってきっとあると思うんです。

別にコスプレじゃなくてもスポーツでも音楽でも何でもいいです。

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「その時の夢中で追いかけていた気持ちを今一度思い出して!
その時のあなたは素敵だった!心から充実していた筈だ!
毎日が楽しかった!それはいくつになってもまた熱くなれる!
もう一度自分の大好きと向き合ってみないか?
あんなに充実した日々だったじゃないか!」
作品を通してこんな熱量で呼びかけてくれてるような気がして胸が熱くなります。

この作品には「本当は好きだけど一歩が踏み出せない。もう●●だし、○○だと思われるだろうから…」という人間が沢山出てきます。

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
それがなぜか他人事に思えなくなってきます。
©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
あくまで作品のセンターピンはコスプレがテーマですが、マジで先入観なしで見てほしい。
©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
物語序盤はややラブコメ感が強いのもあり、こんなに胸が熱くなれるとは思ってもいませんでした。

後半に向かうにつれてどんどん良くなります。

“面白い”という言い方ももちろんですが、なんだか昔の自分の無垢で純粋だった頃の気持ちが解凍されていくような感覚になります。

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
この作品好きな人は後半の面白さ語らせたら止まらなくなるでしょう。

でもキャッチコピー“コスプレ熱血ストーリー”はちょっと違うような感じがします。

全員がメリット“三方よし”のシーン

作品の魅力は挙げるときりがないので、序盤で“ココ秀逸だな~”と感じたシーンを一つ紹介。

ヒロインの一人(という言い方が良いのか?)天乃リリサさん。

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
彼女は本当にコスプレが好きなのですが、それをだれかれ構わずに伝えてもなかなかその情熱や想いはすぐには伝わりません。

アニメ1話24分という制限時間内で、まずどれだけ彼女がコスプレを純粋に愛しているのか…その部分をどう視聴者に対して伝えるのだろうかという所、序盤の天乃さんというキャラのつかみが滅茶苦茶優秀だと感じました。

まず天乃さんは、先輩でコスプレ理解者である奥村君にその本気さを伝えるために彼が大好きなうえ自分の一番得意なキャラ“リリエル”に変身してみせます。

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
ここでまず奥村君にはその情熱や本気度は伝わるでしょう。

でも視聴者の皆さんにはどれくらい彼女がコスプレというものに情熱を持っているのかは奥村君ほどは伝わらないと思います。

だって“リリエル”というキャラについて奥村くんこそ熟知していても、視聴者側には十分な説明がなされていないし…

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
コスプレ自体はかなり再現度が高いらしいけど、どれくらいコスプレに情熱注いでいるのか…そこはまだ1話目なんだし、これから天乃さんの昔の回想シーンなんかを挟みながら伝えていくんだろう……とか思っていたら、天乃さんは何の躊躇もなくコスプレのスカートをたくし上げて、下着を見せつけてきたのです。
三方良し
いきなりなので、奥村君はもちろん原作を知らない視聴者は驚きます。

「皆が見ないような細部にもこだわってみたのですがどうですか?」という感じで得意げに下着を見せるシーン。

このシーンで、彼女は本気でコスプレに誰にも負けないくらいの情熱を持っているというのがはっきり分かります。

そして彼女自身の情熱を理解してもらうシーンだからこそ、視聴者には目を逸らさずに(ながら視聴や倍速視聴せずに)いてほしい。

その伝えたい大切なセリフで“パンツ全開”なので、視聴者(特に男性紳士)は目を逸らすことなく逆にシーンを目に焼き付けるでしょう。

絶対にスルーされないシーンで彼女の一番大事な想いを伝えている…ちょっと俯瞰して考えたら、視聴者側は勿論、作品の制作側や視聴率を管理するTVやネットの放送媒体側からしてもメリットしかありません。

視線をくぎ付けにしたうえで大事な事を伝えている“三方よしのシーン”

ここの天乃さんという人物紹介のやりかたは秀逸です。…何回も同じ手は使えないと思うけど。

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
とにかく、魔法の鎧で武器とも言い切るコスプレスキルを携え、奥村君と天乃さんは業界の荒波に「コスプレイヤー&カメラマン兼マネージャー」という形のタッグで乗り込んでいくことになります。

ROMという媒体でアピール

前半でコスプレという世界に片足を突っ込んだ後は少しづつその世界への入り方をレクチャーしてくれます。

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
コスプレと言ってもなかなか奥が深く、その部分はどうしても説明のパートなどが入ってしまいます。

しかしファンの書き込みで“後半になったら絶対面白くなるから見てほしい”という声が多かったので、ここは後半以降を楽しむためのチュートリアルだと思って視聴していけば問題ないです。

しかし2次元を愛する主人公・奥村君。

ワケ分からんのですがモテます。一部からはキモいと言われているそうなのですが、そんな描写が無い…

はじめはコレ、主人公だからとかいう理由でモテるのは無理があると思っていたのですが、彼は彼なりに高校2年生にして達観した価値観を持っていて、それがなんだかブレないというか清々しさを感じます。

そういう清々しい程の価値観(3次元の女に興味がないという部分)が女性を惹きつけているのでしょうか?

そう考えると世の男性はどっちかに絞った方が良いのではないかと感じます。

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
2次元にのみ愛を注ぐか、3次元のみに愛を注ぐか。

どっちにも注ごうとするから中途半端になってしまい、決断力のなさからモテないのではないか?そうとすら感じるようになりました。

……話を戻します。

コスプレしたらアラ不思議?

不思議に思うシーンももちろんあります。

自分はまだレイヤーさん(コスプレをする人)を実際に見た事が殆どないので、コスプレした途端人がアイドル並みに群がってくるのが不思議に感じました。

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
普段は普通の女子高生…しかしコスプレでリリエルになった途端…
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ものすごい数のカメラ持った男達に取り囲まれてまるでアイドルみたいな扱いを受けます。
原作に沿ったポーズなんかキメでもしたら「おぉ~~」とかいう歓声とどよめきが起こります。
©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
ある意味今どきのアイドルよりも凄いんじゃないでしょうか?

令和のアイドルは複数人で1チームみたいなイメージがあります。グループ内にエースみたいな人はいるとは思いますが、“個”だと存在が弱く感じます。

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その点レイヤーさん達は、コスプレに身を包んだ途端、アイドル顔負けの人だかりができてフラッシュの嵐。

歌やダンスを一生懸命練習して、血の滲む努力で会場チケットを売っていく昨今の新生アイドルグループ達よりも“コスパ良く”アイドルになれるような感じで変な気分です。

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歌やダンスの必要は無いのです。

ある程度知名度や人気があるアニメのキャラに変身するだけで、大勢の人を虜にしてしまうのです。

これが現実なんだったら、アイドルを目指すのはある程度で見切りつけて、レイヤーさんに方向転換した方が良いかと思うくらいです。

まぁコスプレは奥深い世界なのでそんな単純ではないというのは分かりますけど。

それでもアニメだからというのもあると思いますが、コスプレした途端の異様な盛り上がりは大げさすぎませんか?

いや、こんなものなんでしょうか?

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
これは実際に見に行って確かめないと駄目そうですね。

“良さ”だけじゃなく“現実”もきちんと伝えている

天乃さんのコスプレにかける情熱は、自分の気持ちや行動を始めようとしている人たちの背中を押してくれます。

楽しい事とはいえ、そんな感じで良い話ばかり…とはいきません。

それにそれだけだったらこの作品はここまで感動的にはならなかったと思います。

中には「もう社会人になったんだし…」という感じでコスプレ界からフェードアウトしていく人もいます。

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
そしてそんなレイヤーさんの意見も筋が通っています。大人になれよって事なんでしょうか。

…いや、果たしてそうなのだろうか!?

人には今は心の奥底に留めているけど、熱くなれたものが必ずあるし、その想いは見ないようにしているけど消えてはいないはずなんです。

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
そこにもう一度向き合ってみようよというテーマも描かれています。

そうすればきっと自分の色あせているような人生の景色が変わるはずだから。

登場人物の数だけ課題があります。

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皆が天乃さんのように純粋無垢ではいられません。でも想いに蓋をする事は無いのではないでしょうか?

そして皆が主人公です!

コスプレのエピソードを通してこんな眠っていた情熱を引き出されるとは思いませんでした。

理想の高みの目指し方

コスプレイヤーさんと写真家さんの理想の高みの目指し方だなあと感じつつ、その周りの魅力・世界を広げていくストーリー。

コスプレに興味ないからと言って視聴をためらうのが勿体ない位の作品です。

今自分が大好きで追い求めたいものがあるのなら絶対共感できる部分があるはずです。

初登場時のヒロイン・リリサさんはメガネっ子でちょっと冴えない部分もある普通の女の子に見えましたが、活き活きと自分の大好きを追求していく中でどんどん魅力的な女性になり、周りからも一目置かれるようになります。

これはなにもアニメの世界だからというわけではなく、自分の夢中になれるものを突き進んでいく人は素敵です。

彼女を一つの充実した生き方のロールモデルとして、自分も何かに夢中になってやってみるのもいいかもしれません。

でもちょっと赤点がやばいらしい…
そこに理解を示してくれるパートナーが付いてくれていればなお良しです。

前半でコスプレという世界に片足を突っ込んだ後は、少しずつ視聴者さん達と共に、その世界への入り方をレクチャーしてくれます。

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
コスプレと言ってもなかなか奥が深く、その部分はどうしても業界内でしか分からない説明のパートなどが入ってしまいます。

しかしファンのSNS書き込みで“後半になったら絶対面白くなるから見てほしい”という声が多かったので、ここは後半以降を楽しむためのチュートリアルだと思って見ていけば問題なしです。

そして、ある程度年齢を重ねた人に特におすすめしたいのは物語終盤のエピソード。(最終話ではないです。最終話は“視聴者の皆さん、ここまで見てくれてありがとー”みたいな内容です。)

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
自分達各々の心動かされた原点の部分に戻るストーリーです。
©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
ここ、話の主線はブレないようにしたまま上手く描いています。

「別によく分からんから見ない」なんて言わないで視聴してみてほしい。

自分がいつの間にか思い出に蓋をして見ようとしなくなっているものと向き合えます。

すなわち人生が充実してたあの記憶を取り戻すということ。

©橋本悠/集英社・リリサ製作委員会
人生が苦しいのは、自分の本音を無視して「こうしなければいけない」という建前やルールで生きているからです。

コスプレは1つのきっかけです。

人はいつからでも人生を充実させることは出来ます。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。