長月達平に本気でジェラシーを感じた作品
この度は閲覧いただきありがとうございます。
周作(x.com/DarvishShu)です。
今回満を持してレビューを書かせてもらうのは『Re:ゼロから始める異世界生活』3期。
“リゼロ”の名称で今では日本だけでなく世界中で人気のコンテンツになりました。

1期を見終えた後、熱いレビューを書かせてもらいましたが、この作品…とにかく見た時の衝撃が凄かったのを覚えています。これまでアニメを殆ど見てこなかったというのもあるけど、この作品のレベルの高さに驚きました。
それと同時に作者の長月達平さんという方に対して強烈なジェラシーを感じたのを覚えています。
その頃の自分は普通に会社員してたけど、同じクリエイターとしてこんな作品を作っているんか…と感じて本気で悔しくなった。
そこからずっと眠っていた情熱が湧き上がり、舞台脚本などの制作を手掛けたりして地ならしをしながら自分も小説を創作するようになりました。長月さんを一方的にライバル視しながら“とある本懐”を叶えるために情熱のままに書いています…
いくら反響が得られなくとも諦めない、この嘘のない情熱に背を向けたくない。自分の人生で学んだことを全て作品にぶち込んでも無名の作家の立ち位置は厳しいですが、リゼロに強く影響されたクリエイターの一人であるのは間違いないです。
少し私情を書いてしまいすいませんでした。話をリゼロに戻します。

あくまで自分の主観ですが、その理由を含めレビュー記事を書かせていただきます。

※レビューには序盤の方のネタバレがあります。ご了承の上読み進めていただければと思います。

人気が爆発したのはやっぱり1期の段階で多くの人の心を掴んだから。
群像劇としての完成度が高いうえに“衝撃と感情のジェットコースター”みたいな作風が多くの視聴者さん達の心をわしづかみにしました。
※自分なりに感じた事をレビュー記事にまとめています。そちらも是非どうぞ。
2期に入ると、ややダウナーなテイストの作風に。
各キャラの心理・内面の掘り下げをするシーンが多かったのですが、主人公・スバル君たちの絆が強固になります。
そして3期。ここでは主に世界と構造の拡張を描いています。

物語が進んだというより固まってきた
リゼロの世界観や説明は割愛します。
※知りたい方は是非1期2期のレビューを閲覧ください。
主人公のスバル君が所属するのが“エミリア陣営”、今回各陣営の主要メンバーを呼んで交流会をしようと企てたのが“アナスタシア陣営”…というふうに政界への立候補者の水面下での戦いと交流を描いています。


2期の作風がやや暗かったので、3期は派手に行こうという方針になったのでしょうか。



「●●が駆けつけてくれたらひとまず大丈夫!」みたいなケースが通用しなかったのも緊張感を深めてくれました。

シリウス・ロマネコンティという大罪司教のボイスを担当する安済さんなんかは狂った声をまき散らすような恐ろしい演じ方が光ってました。
世界観も素晴らしいですが、声優さん達のリゼロの世界観に負けないくらいのダークな演技力も注目です。
他にも「コイツ、マジ死んでほしいなぁ…」と視聴者さん達の怒りを加速させる発言を連発する『強欲』担当の白髪男。

リゼロは魅力的な陣営の仲間はいますが、敵方も良い意味でイライラを逆なでするタイプの逸材ぞろいです。
性格的にイカれているのが多く、よくこんなキャラを生み出したもんだと感服します。
現代社会で普通に生活していたらまずここまでネジの切れたような人間には出会えません。
キャラ作りをする前にまず人間の構造をぶっ壊して滅茶苦茶につなぎ合わせるくらいの狂気が無いと生まれてこないでしょう…


極めつけはリゼロで屈指の人気キャラを眠り姫にしてしまった罪深い『暴食』担当の幹部。
視聴していた彼女のファンの方々の心拍数は上がったのではないでしょうか?制作者側としては狙い通りなのですが。

前半の構成は後半に向けてを考えると言う事ない出来です。


でも全てを分かってないと見れないと感じると逆に窮屈です。
作中に出てくるプリシラ陣営の騎士“アル”はその言動から謎が深まるばかりです。でもそれでいいんです。


“できる主人公”になりつつあるスバル君は危険?
構成は見事としか言いようがなかった…そして後半の派手な戦闘シーンの連続もファンの間では爽快感という面では大好評でした。

※決して作品の粗探しをしているわけではないです。悪しからず。
それは主人公のらしさの存在感が薄れている感覚です。

それぞれの盛り上がり所をリレー方式みたいに流していく構成は悪い訳じゃないです。
でも様々な魅力を伝えていくという形、分散すると感情の集中点がぼやけます。

そして今までの困難を経てスバル君はかなり優秀な主人公になりつつあります。でもそれでは作品としてはあまりよろしくないと思うのです。
スバル君の成長は57話辺りで特に感じました。
思わず“オイオイ俺の作品をパクるなよ!”と感じてしまった。まさか自分の書いた小説(58話/A面)とかなり酷似(こくじ)しているシーンが、リゼロのエピソード内で出てくるとは思ってなかったので驚きました…
主人公を成長させるほど作品が弱くなる構造
今後予想される展開(ストーリー)とは別に以下の現象が考えられます。
スバル君が成長し、いろんな面で強くなる程、やり直しの重みが軽くなり、視聴者の恐怖が薄れるという奇妙な事が起こるのではないかと。
もう少し分かりやすく書きます。
作品が大人気になると「理解しやすさ=正義」の作風になりやすいです。
なぜそう思うかというとアニメ『鬼滅の刃』を見てて感じたから。

安全な展開が増えてくるとスバル君が精神的に追い込まれることが減り、視聴者さん側の緊張感と恐怖感が消えていきます。
“爽快さ”に振るという見方も出来ますが、安全な展開が増えます。
そういう作風になっていくと“普通の異世界ファンタジー”になり下がってしまうのではないかと。
そこに一番イメージしやすい所だと『ソードアートオンライン』という作品。
あの作品は序盤ではサスペンス要素が強く、序盤の方で視聴者は緊張感MAXで視聴していました。でも“死の緊張感”が薄れた2ゲーム目以降、主人公が強くなりすぎたという点も重なり、安全な展開が増えてきます。
そんな尖ったところがなくなると、ド派手なバトルとハーレム寄りになっていく。
安心感が増して万人に受け入れられる内容にはなるでしょう。
これはリゼロで言う“死に戻りの緊張が消える”のと似てないですか?
その後の流れはこんな感じ。
② 制作側がそこに向けて最適化していく
③ さらに“安心化”が進む
現状の最大の問題は“慣れ”だと思います。
作品の最大の特徴の一つ“死に戻り”が便利能力化してしまうと作品の核が崩壊しかねません。

じゃあ4期以降、また1期のようなリゼロらしさを全開にしていけば…と思う人はいるでしょう。
しかし見ていてストレスが少なくて安定して見られるのはアニメ業界構造的には正解です。
これは殆どのアニメ業界がビジネスとしての視点で作品を見ているから。
先ほども書きましたが、「理解しやすさ=正義」です。
ここまで高い人気を得られているのだから、ここから無理に尖らせるより維持が優先される可能性を考えていまします。
作品の目的は“芸術の維持”ではなく“事業の維持”です。
アニメ配信には基本的に視聴継続率しかり、離脱率やグッズ・円盤・配信の安定性、配信再生数、海外ライセンス収益などが常について回ります。
そして失敗はすぐ数字に出る時代です。
昨今のアニメ視聴者もハラハラドキドキよりも「安心」を求めがちな傾向があります。

“尖っていて万人には受け入れられないかもしれないが唯一無二の作品”を作者側は望んでいると思いますが、業界は必ずしもそうではないということです。
評価は鈍化したとしてもある程度の人気と収益ビジネスは確立しているんだから、コンテンツ維持の収益を守る為作品を安定させたい。
ほとんどの長期アニメはこちらを選択しがちな気がします。出資企業側の意見もあるはずです。製作陣の意見が全て通るとは思えません。
オリジナルアニメの制作発表が急に減っている今のアニメ業界を見ると、製作にリスクは取りたくないという出資側の思いが強いんだと感じます。
でもそれだと売れるけど代替可能な作品になっていまう危険性がある。
大人気コンテンツになったが故に、これからは作品を“誰向けに作るか”の問題と葛藤に悩まされる事が予想されます。

どこか壊れている状態が正常で、安定した瞬間に死に始める作品なんて本当に唯一無二の作品です。
この先どういう構造になっていくのでしょうか…
どういう形で視聴者に緊張感を表現していくのでしょうか…

英雄の背中を追って

だから生死の間で辛くても苦しくても今の現状からなんとかしたいと必死にもがくスバル君にすごく共感しながら創作を続けています。
僕も目先の生活維持のためにブルシットジョブばかりこなし続けるんじゃなくて未来の世代のために何かを伝えたい。僕の祖父が果たせなかった想いを自分が形にして残したい……というのが本懐です。
想いはあっても一人じゃ何も出来ないと萎縮し、動けなかった自分の背中を強烈に押してくれたのはこのリゼロという作品、そしてスバル君という主人公でした。
スバル君の想いに寄り添いながら視聴していくと、自分の悩みなんかちっぽけに感じてしまいます。それくらいスゴイ影響を受けました。
だからこの英雄の背中に少しでも近づけるように邁進していきます。
何も一昔前の”ジャンプの主人公”みたいにめっちゃ強くなくても良いんです。
周りを俯瞰し、時には論理的に選択し、あとは突き進む……彼は自分の中では歴代最高の主人公です。
1つのアニメ作品から自分の人生にここまで影響を受けるとは思っていなかったのですが、リゼロは動き始める上での原点になっています。

バイブルとまでは言わなくても「この作品のおかげで自分の中での動き出すための一歩が踏み出せた」とかいう作品があれば素敵ですよね。自分が原作者なら作者冥利に尽きます。
































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