感想『異世界のんびり農家』万能農具とかズルくない?

ご都合展開は目をつぶって楽しもう

都会でもまれて忙しくしている方々…

田舎で農家を営みながらのんびり暮らすことにあこがれを抱く人も一定数いるのではないでしょうか?

だから人気が出てアニメ化されたのだろうと感じた今回の作品『異世界のんびり農家』

ご都合設定を上手く使いながらも、田舎での生活に憧れる人たちの願望をイメージにして叶えてくれるようなアニメ作品となっていて見やすかったです。

実際に田舎に移住して農業を営むのは無理があっても、まずはゆるくイメージして想いにふけってみませんか?

そんなレビューを書かせていただきます。

レビュワーの皆さん 閲覧いただきありがとうございます。

周作x.com/DarvishShu)です。

“万能農具”というあまりにも良くできた設定に視聴者を選ぶところがありますが、農家生活を思い描くきっかけにはなりますので、興味がある方は視聴をお勧めします。

© 内藤 騎之介 /「異世界のんびり農家」製作委員会

ジェンダーバランス崩壊

よくある異世界転移という導入ではあるのですが、主人公は一度死んでいるんです。

就職した会社がブラックで結果身体を酷使というお気の毒な人生。

しかし第二の人生をやらせてもらえるという事で、神様らしき媒体(?)から1つアイテムをもらって異世界へ転移します。

しかし転移の仕方が雑!

© 内藤 騎之介 /「異世界のんびり農家」製作委員会
成人の状態で何か服着た状態で森の中で寝っ転がってる所から目が覚めてスタートって感じです。

なんだこのスタートは!と感じましたが後になってもっとトンデモアイテムが組み込まれてきますので、途中からあまり深く突っ込まずに視聴しようと割り切るようになりました。

© 内藤 騎之介 /「異世界のんびり農家」製作委員会
しかし…主人公の名前も雑な感じが…“街尾 火楽(まちお ひらく)”って…

そして先ほど書いた、トンデモアイテムというのが『万能農具』というもの。この性能を知る事で“あ、彼のこの先安泰じゃん”ってなって一気に緊張感がなくなって“ユル視聴”になりました。

© 内藤 騎之介 /「異世界のんびり農家」製作委員会
導入の説明では“頼りになるものはー前世で得た知識と神様から授かった農具の力のみ”なんてこれから進む道は遥かに険しい雰囲気の伝え方をしています。

しかし何てことはない、「万能農具」があれば農業初心者でも“想いと根気”があれば野菜が自然と作れてしまう仕様。

© 内藤 騎之介 /「異世界のんびり農家」製作委員会
これは「万能農具」に万能な設定を入れ過ぎてないか?

しかも収穫した野菜がこの世界では非常に評判。

© 内藤 騎之介 /「異世界のんびり農家」製作委員会
噂をききつけたり動物のアシストを経ながらどんどん仲間が増えてくる有様。

仲間と言っても年頃の女性ばかりなのです。(人間以外の種族もいますが総じて若い女性ばかり)

© 内藤 騎之介 /「異世界のんびり農家」製作委員会
この辺が著者の願望を描いているのかどうかは分かりませんが、上手く出来すぎているような感じがします。

現実世界で仮に田舎へ農業やるべく移住してもさすがにこうはならんやろ!という感じで、これを見て「よし、俺も都会での仕事なんかやめて田舎で農業生活始めよう!」とはいかないでしょう。これは完全に理想をアニメ化したような感じになってないか?





自由気ままな農業生活

それでも農業…農家さんのやることは多く、自給自足を目指すならなおさらです。

万能農具を使い、あと知恵が加わればすんなり出来ていくものですが、その過程に関してはしっかり描いてくれています。

© 内藤 騎之介 /「異世界のんびり農家」製作委員会
気ままとは言いませんが、実際に農業生活をしてくならこんなにやることがあるよというのをしっかり見せてくれるところは良かったです。

逆にそこをサラッと描いてしまうと、本物の農家さんやってる視聴者さんから「あまりにも農業に対してリアリティが無さすぎる」とクレームが来るかもしれません。

この作品はあくまで異世界の主人公の爽快な活劇ではなく、農業がテーマになっているわけなので。

「農業をしながらのんびり暮らしたい…」

しかしそれは実際にやってみると上手くいかない事の連続だったりします。

© 内藤 騎之介 /「異世界のんびり農家」製作委員会
だから万能農具で帳尻とついでに尺をあわせるような描き方に違和感を感じる人もいるかもしれません。

今農家さんとして苦しい中やりくりしている方の中には“農家を自由気ままに?のんびりだぁ?農業を舐めるな!”と感じる人もいるかもしれませんね。

だって彼・街尾さんはJAみたいなところから農薬や農機具を買ったり、出荷契約など実際に農業をするなら避けては通れないような作業を経ていません。

日本で農業をやるのとは根本的な土台が違います。それに農耕機械はいつか必ず壊れます。高いお金をかけてのメンテナンスが必要です。

万能農具のようにいきません。

© 内藤 騎之介 /「異世界のんびり農家」製作委員会
この“万能農具”が農業をテーマに扱った作品とはいえ、農業のイメージを曖昧にしているような感じが拭えません。このアニメを見て農業に興味を持った人っているのだろうか…というかこの作品の伝えたかったことは何だったのか…と視聴を進めていくうちに物語の本質が気になりだします。

農業にこだわった視点以外で見ていく

第二の人生を、森を切り開いて家と畑を設け、農家をしながらみんなでワイワイ過ごす…

© 内藤 騎之介 /「異世界のんびり農家」製作委員会
完全に願望みたいな感じで、日本で実際にやるには難しい世界線。

始めは農業に興味がある人達向けに描いた作品だと考えていたのですが、そうではないと感じました。

実践向けではないです。

それよりも“万能農具”をきっかけとした村づくりを描いた感じでした。

© 内藤 騎之介 /「異世界のんびり農家」製作委員会
主人公がひたすら作業に従事するだけなら単調になるので、女性キャラをバンバン投入させて彩りを加えていきながら。

最後は一つのハッピーなイベントを織り交ぜて一つの終幕に持って行った…そんな1クール作品でした。

小説の方では今後の村の様子や周辺との交流をえがいているようですが、この平和で和やかな物語を細かい設定などに深入りしなければ、まったりゆったり楽しんでいけるのではないでしょうか。

“万能農具”を深く考察しだしたらキリが無いです。

あと、異世界ではだいたい“カレー”が人気みたいですね。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。