感想『終末のハーレム』女だけの世界はわりと地獄かも

当時の話題作としては凄まじかった、なぜなら…

放送当時、SNSを中心に滅茶苦茶話題になった作品を今回紹介します。

勿論男性陣の間でですけど…。

でも本当に話題のトップランナーという作品でした。

キャッチが「近未来エロティックサスペンス」

放送されてここまで騒がれる作品もそんなに無いです。

そんなやや危険な匂いもする『終末のハーレム』のレビューを書かせていただきます。

設定がまずぶっ飛んでいて“悲惨だけどウキウキ”するような世界。もちろん男性目線です。

今その記事をここに持ってくることは出来ませんが、本当に男性視聴者中心に色んな意見が飛び交っていました。

“もしこんな世界になったらどうする?”って感じで都合の良い妄想は膨らむばかりだったのでしょう。

初期設定のネタバレをしたうえでレビューに是非お付き合いください。

生きてる側で考える男達の都合よさ

物語の舞台は近未来。

文明は発達して科学技術も進んでいる…しかし未来の世界では、あるウイルスみたいなのが原因で男性が死滅してしまっていたのです。

©LINK・宵野コタロー/集英社・終末のハーレム製作委員会
©LINK・宵野コタロー/集英社・終末のハーレム製作委員会
ここがこの作品の大きなポイント。

当然女だけの世界だと子どもも生まれることはなく、いずれ人類は死に絶えてしまいます。

そこで主人公含めコールドスリープしていたため難を逃れた数名の男達は保護され、子ども作り要員(メイティング)として使われていきます。

男性からしたら夢のような設定かもしれません。漫画の設定にしては男性が喜ぶでしょう。

問答無用で気に入った女性とメイティングの毎日なのです。

※ちなみに当然のようにアダルトなシーンはモザイクがかかるのですが、SNS界隈ではそのモザイクを“海苔”という言い方で表現していました。確かに真っ黒な海苔みたいに見えます。





SNSの投稿を見ていたら自分が生きてる側前提で色々感想を述べていました。

生き残った人間は数えるくらいしかいないのにそのメンバーになってる提で考えるのは視聴者目線な圧倒的都合の良さですが、まぁ相当話題にはなったのでそこは良しとします。

1クールという尺の都合もあり、3人の男性の動向にしぼって描かれます。

「俺ならこうする」とか1話1話盛り上がってました。なんだか日ごろのうっぷんをこの作品は満たしてくれるような感覚がしたのでしょう。

女性側からしても立場が急に弱くなります。

男性様様の世界。

アイドルなんて仕事は男性が居なくなったから需要が無くなって廃業になります。

他人も男性がいてこそ成り立つ仕事や、男手が必要な仕事がなかなか回らなくなります。

©LINK・宵野コタロー/集英社・終末のハーレム製作委員会
この辺の世界はなんだかもし女性だけの世界になった場合を色々想像させてくれます。

ぶっとんだ設定の作品ではあるのですが「もし~になったら」というのを具体的に見せてくれるので、色々と考えるきっかけにはなっています。

あとやっぱり“この世は男と女がいてうまく世の中が成り立ってるんだ”という事。

もっと掘り下げて語ると、男性と女性がいがみ合うのではなくお互い歩み寄らないと社会はやっぱり上手くいかなくなるという事。

婚活市場などをネットから見ている限り、男女お互いのリスペクトが無いのが顕著に感じられます。

ここで、世界観を都合の良い視点で楽しむだけでなく、作品をきっかけに女性という存在の大切さをしっかりと噛みしめる事ができれば良かったのですが…この作品ではそう言う事を伝えたかったわけではなかったようです。

男性達の想像力が膨らむばかりなのは仕方ないかもしれませんが、全ての生命はお母さんが命がけで産んでくれた存在です。

女性がいたから男性も存在できるのです。

男女の関係性が良くなる事を願います。

話題に事欠かなかったこの作品…衝撃的な設定で話題をかっさらっていったのは間違いありませんが、ネット上では欲望に塗れたコメントが飛び交っていました。





主人公の選択

©LINK・宵野コタロー/集英社・終末のハーレム製作委員会
主人公は安易なメイティング行為をせずに、人類が生き延びるための方法を模索する行動に出ます。

この辺の選択が主人公らしくもあり、物語の確信へ進むためのキーになっています。

でも実際にこういう事態になったらどういう選択を取るのが良いのでしょうか。

いくら想い人がいるとはいえ、主人公の理屈だけで人を振り回して良い状況ではないのです。

彼にはもう少し柔軟な思考で立ち回って欲しかったなぁというのも感じました。

主人公の取った選択から物語が少しづつ動き始めていくわけですが、ここでアニメパートは終わっています。

続きとこの世界が気になる方は是非コミックを読んでみる事を勧めます。

男がいないという前例のない凄い世界の物語ですが、この先どうなっていくのだろう…混沌や不安の中、女性だけの世界でうまく秩序を保っていけるのだろうかというのはどうしても気になるところです。

©LINK・宵野コタロー/集英社・終末のハーレム製作委員会
アダルトな描写は作品に興味を持ってもらうための間口を広げる為だったり、コミック版含め新規視聴者の獲得&宣伝には大いに役立っていたのですが、物語の本質はそこではないと思うのです。アニメは中途半端な所で終わりを迎えてしまいましたが、やっぱりこの先気になりますね。

最終的には無事、男女が尊重しながら共存する良い世界は訪れるのだろうか…

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。