感想『継母の連れ子が元カノだった』皆さんに見てもらいたいシーンがあります

レビュワーの皆さん 閲覧ありがとうございます。

周作twitter:DarvishShu)です。

今回紹介する作品はこちら。『継母の連れ子が元カノだった』

ライトノベル出身で、高い評価を受けていて、満を持してのアニメ化のようです。

まるで文章みたいなタイトルですが、今どきのライトノベルはこういうのがマジョリティ(多数派)らしい。タイトルを略すと「連れカノ」

今回この作品を視聴して、1話だけものすごくリアルで共感できたところがあるので、そこを中心にレビューを書いてシェアしたいと感じました。

まだ見たこともない人はもちろん、視聴したことがある人は共感してもらえるかどうか興味深いので是非お付き合いいただければ幸いです。





1話だけ見てほしい部分がある

中学生の時に交際を始めたとある男女。

しかしほんの些細な事ですれ違いが出てきて、卒業を機に別れた…でも再婚した継母の連れ子が元カノだったというところから物語が動き出すというもの。

© 紙城境介・KADOKAWA/連れカノ製作委員会
実際にこういうケースになれば、義理の兄弟になったとはいえかなり気まずいだろう。

「連れカノ」はそんな気まずい葛藤を面白おかしく描くのかなと思ったのですが、そういうテイストにはなりませんでした。

何より、ヒロインである伊理戸さんの語る回想(語り)がオバさん臭い

「若気の至りであった」とか言ってるけど、この子まだ高校1年生ですよ。

© 紙城境介・KADOKAWA/連れカノ製作委員会
なのに40代の熟女みたいな語り口でナレーションをしゃべるので、頭は良いみたいなのですが、なんか健全な女子高生というイメージがまったくないのです。

昔の事を結構ウジウジ思い悩んでみたり、別れたのに元カレと誰かの接触にイライラして邪魔してみたりと、ある程度年とった人間から言わせたら“煮え切らない女”という感じ。

後で、東頭さんという、自分の想いもきちんと告白できるし巨□だし気兼ねなくお互いの趣味を満喫しあえるような女の子が登場するのですが、この子の方が付き合うなら絶対に良いと感じた方は自分だけではないはずです。

一緒にいて楽で趣味もあうこの子の方がずっと魅力的に感じたりします。

ヒロインよりも絶対この子のほうが良いんじゃないのか? ややパーソナルスペースが近すぎる感はあるけど、おおらかでお互い気兼ねなく居られるので楽!趣味が合うならなおさら…だと感じたのですがどうでしょうか?
▼人の膝で遠慮なしによく寛いでます。ここまでくつろいでくれたら逆に男性側としても安心しませんか?
© 紙城境介・KADOKAWA/連れカノ製作委員会
サブカル系の趣味がある人なら絶対に嫌いにはならないと思います。

それに引き換えヒロインの伊理戸さんときたら…

常に不満を顔にため込んでイライラして、語りもなんかおばあちゃんが遠い昔を振り返るみたいな言いぐさしていて、とても優等生ヒロインとは思えない振る舞いと立ち位置でした。

早く完全に振られて、ガン泣きして、心身ともにすっきり生まれ変わってしまった方が色々煮えきらない部分のデトックスになっていいんではないかと感じてたし、一度こういう子はどん底に突き落とされた方が良いような感じがします。

ひどい言い方かもしれませんが、高1にしては妙なクセができてしまっているみたいに感じます。

才色兼備な優等生というのも手伝い、いろんなプライドが邪魔しているんでしょう。自分の嫌な部分を全部さらけ出して、思いっきり泣いて、そして成長していく…なんていう彼女の成長物語をイメージしていたのですが、そういう方向にも行かず。

© 紙城境介・KADOKAWA/連れカノ製作委員会
結局、友達からのプッシュや元彼氏の心理的なサポートのおかげで、なんとか持ち直します。

しかし何度も感じる…彼女にはもっと自分をさらけ出して、成長してほしいと感じずにいられない。

その方が作品全体の魅力が出ると感じたから。

中途半端なところで物語が終わってしまった感はあります。

尺があるなら…もっと伊理戸さんのドロドロとした溜まっている部分を掘り下げていけるならば、もっと深みのある人気も出てたし、物語的にリアルに感じたのではないかと思います。

12話という尺の中でのゴール地点をこんなカンジにしたという事でしょうか。

でもまだ彼女の心の中にはまだわだかまりはあるハズ…

ほんの些細なことからすれ違いは始まる

この作品の中で、自分が「このエピソードは本当に良く描けている。心理描写なども秀逸で、まるで実体験を元に描いているんではないかと思うくらいリアルだ」と感じたエピソードが一つあります。

このレビュー記事を書こうと思ったきっかけでもあるし、この部分だけでも視聴のチャンスあるなら見てほしいと思った話があります。

終盤に差し掛かる手前の第9話『若気の至り』です。

若気って…まだあんたら高校生でしょ!なんちゅうタイトルなんだとつっこみたい気持ちもありますが、ここで語られる「二人の中学生時の交際が終わるまでのエピソード」がとてもリアルで分かりやすかった。身近に感じられました。

ここのエピソードが突出してよかったです。

少しだけ内容を紹介します。





中学生の恋愛は、好きって何だろうか?とか多感で色々考えさせられる時期。

お互いがどう感じるか、まだ全然わからない手探り状態。

© 紙城境介・KADOKAWA/連れカノ製作委員会
うまくいってる時は問題ないのですが、うまくいかなくなったら回復ができないんです。どんどん二人の関係が悪くなっていく。
© 紙城境介・KADOKAWA/連れカノ製作委員会
カップルが分かれる理由なんて本当に元をたどれば些細な事です。

この二人の別れてしまったエピソードも、ほんの小さなボタンの掛け違いから始まってしまうのです。

© 紙城境介・KADOKAWA/連れカノ製作委員会
幼いゆえに自分の思いという名の振り上げたこぶしを“自分から”降ろすことが出来ずに意地をはってしまう。

それがどんどん深みに入っていき、そこから改善していくことはほぼないという“空気”に支配されていく様。

© 紙城境介・KADOKAWA/連れカノ製作委員会
ここらへんの描き方が、自分が見てきたドラマやアニメの中ではピカイチに上手く描かれていたので、付き合い始めのカップルとかに見てもらうのもいいかもしれません。

ここだけ短編映画にしても高い評価を得られるのではないかと感じたくらい。

結局何が悪かったのかは、後で俯瞰してみて初めて気づいたりするものだったりする。

“若気の至り”なんて言い方はさすがにちょっと年寄り臭いですが、このささいな事から破局に至る過程は、共感できる部分が多かったです。

よくこんなに分かりやすく描けたもんだと感動しました。

「相手は生きた人間。自分の妄想や理想が具現化した存在ではない」どちらも読書を趣味にしているだけあって面白い言い方です。

でも、彼らはまだ高校1年生。「自分の小ささに落ち込む」前にもっといろんなタイプの人と交流したりして、学力以外の引き出しを時間をかけてゆっくり増やしていくのが良いと感じます。

なまじ成績が優秀過ぎると、プライドなのかメンツなのか自分自身に変なストッパーをかけてしまい、何かのきっかけで全然うまくいかなくなったりします。

よくあることです。

© 紙城境介・KADOKAWA/連れカノ製作委員会
まぁ第9話だけでも見てみて、視聴を考えてみても良いかと思います。9話なら時系列で見ても問題ないストーリーですし。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。