感想『久保さんは僕を許さない』久保さんに全振りした作品

レビュワーの皆さん 閲覧ありがとうございます。

周作twitter:DarvishShu)です。

今回紹介する作品はこちら。『久保さんは僕を許さない』
タイトルからも分かるように、この作品の出来の良しあしは久保さんというヒロインにかかっています。

タイトルにヒロインの名前を入れるという事は、それだけその人物がカギを握っています。物語だけでなくあらゆる事で。

タイトルに少しひねりを入れています。

『久保さんは僕を許さない』これで「くぼさんはモブをゆるさない」と読みます。

そんなモブでも見逃さない久保さんのレビューを書いてみましたのでお付き合いください。

ラブコメを見るというより、推されている“久保さん”ってどんな感じのヒロインなんだろうかというのが気になりました。





久保さんとほかのキャラの格差がスゴイ

この作品のカギとなる人物。久保さん

©雪森寧々/集英社・久保さんは僕を許さない製作委員会
高校1年ということで、まだお色気的な攻撃力は低め。

しかしこの久保さんに魅力が感じられなければ、この作品自体が終わるのです。視聴者さんがそっぽを向いてしまうのです。

久保さんにかかるプレッシャーは相当なものです。

©雪森寧々/集英社・久保さんは僕を許さない製作委員会
アニメという名のコンサートのセンターにまだ若干15歳ながらも抜擢されたような感じでしょうか?

その久保さんに作画班や演出班が特に力を入れているのが、他の登場人物と比べると如実に理解できます。

本作の主人公の一人である男の子、白石君。モブ男子です。

©雪森寧々/集英社・久保さんは僕を許さない製作委員会
この子の髪型とか目の部分とかの作画がけっこう雑です。

モブですから…と言えばそれまでなんですが、一応久保さんと一番絡む人物なのでもう少し書き込んであげてもよいのでは…と感じるくらい。

©雪森寧々/集英社・久保さんは僕を許さない製作委員会
担任の先生に至っては、2等身という適当な作画。さすがにきちんと書いてあげようよ…ひどいなと感じました。コレ小柄とかいうレベルじゃないぞ!
©雪森寧々/集英社・久保さんは僕を許さない製作委員会
せめて名前は覚えておこう…「雲仙先生」と。

それに比べて久保さんの作画には、サラサラとなびいた髪(光沢&効果付き)やきれいな瞳など、作画の力の入れようがまるで違います。格差とも思えるほど違いすぎます。

©雪森寧々/集英社・久保さんは僕を許さない製作委員会
久保さんに相当力入れてるな~というのが第一印象。物語がスタートしますが、久保さんをどれだけ視聴者に印象付け、輝かせることができるか?

そんな視聴者と久保さん製作陣との戦いが始まったわけです。





初々しさで勝負する久保さん

久保さんの戦いが始まりました。

まずは「恋愛をまだ知らない」という特権カードを使って、子どもと大人の狭間のような揺れる心境をプッシュしてきます。

©雪森寧々/集英社・久保さんは僕を許さない製作委員会
白石君に対する感情が恋なのかもわからない立ち位置。

でも気になるから観察し続ける久保さん。ほかの人はモブ扱いして視界に入らないけど、久保さんだけは白石君のことを認知して交流をしていく。

©雪森寧々/集英社・久保さんは僕を許さない製作委員会
…これは、普段学校で女子に相手にされないけど内心は滅茶苦茶相手にしてほしい…かまってほしいと感じているやや引っ込み思案な男子生徒の心理を狙った魅力の出し方(?)ではないか。
©雪森寧々/集英社・久保さんは僕を許さない製作委員会
この純粋に近いようなしぐさで何割かの男子学生の心を射止めたのではないかと思います。

成績優秀とか良い部分ばかりでなく、料理が苦手というかわいらしい欠点(?)もきちんと会得していて、今のところ好感度は上がりっぱなしです。

©雪森寧々/集英社・久保さんは僕を許さない製作委員会
しかし、今のヒロイン戦国時代。魅力的なヒロインが作品の数だけ生まれている昨今では、もっと突き抜けるような魅力がないと男性陣の心の中で生き続ける事は難しいです。

魅力を伝えるための基本的なアビリティ(?)は備わっている久保さん。

©雪森寧々/集英社・久保さんは僕を許さない製作委員会
しかしあと何か一押し欲しいところです。このままだと、学生(10代くらい男子)の支持を得るだけで終わってしまう。

なんか大人達にも魅力が刺さるような一押しがないのかともどかしく感じていました。

久保さん……12話という舞台の中で大人の視聴者たちにも爪痕を残すことが出来るのか?!

久保家総動員で娘の推し活

他のラブコメにもあったような記憶があるのですが、彼女単体だと魅力を伝えるには限界があると思った製作チームは、家族というカードを行使しはじめます。

お母さんやお父さん、そしてお姉さんの方はちょっとラフな感じで家族ぐるみの交流をすることによって、二人の距離が良い感じにほぐれます。

本編で結構ポイントになったSNSでのやりとり『LINE』ならぬ「PINE」。着信音までこだわっています
物語前半は結構、久保さんと白石君メインで進んでいて、後半もこの流れでずっと行くのならややパンチが弱いなと思っていました。

家族が出てくることで、そこで親からの相手に対するコメントが入ることで、不思議とやや場の空気が明るくなるから不思議です。

白石君には幼児ですが弟もいて、彼の存在も凄く良い潤滑油となっています。「かすがい」とまでは言いませんが、彼の存在が間違いなく二人の仲を深めたのは事実です。

家族を投入させ、終始ほんわかしたストーリーで終幕となりましたが、久保さんの魅力はどこまで皆さんに伝わり心に残ったのか気になります。

久保さんを演じた声優さん(花澤さん)も、この作品のカギはこの子だなというのを台本を読まずしても直感で感じたと思うので、ベテランとはいえなかなかのプレッシャーを感じたのではないかと思います。

久保さんの魅力にすべてをかけたこの作品。ヒロインの及ぼす責任というか影響の偉大さを感じました。

©雪森寧々/集英社・久保さんは僕を許さない製作委員会
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。