レビュワーの皆さん 閲覧ありがとうございます。
周作(twitter:DarvishShu)です。
『Angel Beats!』……この作品を見ようと思ったのは、アニメレビューであまりにも評価が高かったからです。コメントも「絶対に人生で一度は見た方が良い」という感じの作品を絶賛するコメントだらけでした。
しかし、当初の印象では絵柄がなんだか好みではないし、何よりもコレジャンル的に学園ドラマだろう。
自分はもうアラフォーなんだし、学園ドラマから学ぶことはそんなにないかもしれない…という感じで消極的でした。
実際視聴し始めてからの1話目は、意味が分からなかったです。
これはいったいなんだ?死んだと思ったら生き返ったり訳わからんぞ…と思いながら2話…3話ととづきます。
初見の方ならおそらく自分と同じ印象で見ているのではないかと思います。しかし中盤くらい…世界観が分かってきたあたりから一気に感じ方が変わってきます。
前半“ながら見”をしていた自分も、後半は“ガン見”になってしまうほどで、その魅力などを今回レビュー記事としてお伝えできればと思います。
是非お付き合いください。
本当に訳わからない“死んだ世界線”
冒頭でも書きましたが、1話2話とかは正直意味わかりませんでした。
なにゆえこの作品が名作にカテゴライズされているのか?
この世界は何なんだ?
おまけに古いゲームのオマージュらしきエフェクトも加わり、安っぽいアニメに見えてしまう始末。
いきなり主人公として登場した少年・音無君。
そして仲間であるリーダーのゆりさんと何やら“戦線のメンバー達”
まず登場人物が多すぎませんか?と思いました。
ヒロイン格のゆりさんが、簡単にメンバーのを紹介してくれるシーンがあるのですが、そんなサラッと言われても覚えきれんよ…とか感じてました。
こんな大所帯で12話を進めるのか…というか彼らは一体何に向かっているんだ?ふざけた学校生活が終わっても帰る家らしきものもないし…
謎の多すぎる設定にはじめはついていけませんでした。「これは何かの比喩?社会問題に対しての隠喩(いんゆ)なのか?
そもそも何を伝えんがためにこういう物語がはじまったのかさえ分からん。
ホントにこれ名作?
…序盤はこんな感じで話が進んでいきます。死んだ世界線という言葉だけは気になってましたが、死んでるようには…感じません。
明かされていく世界
中盤に入るくらいで、少し違和感があるシーンがあります。
ここからは少しネタバレになってしまいますが、ある程度輪郭を説明しないと心ゆさぶられた理由が伝わらないと思うので少し踏み込んだ説明を入れます。
「ガルデモ(Girls Dead Monster)」というバンドで演奏を終えた学生が急に消えるのです。
今振り返ればこれがこの作品のポイントなんだなというのが分かりますが、この辺から少しづつ物語が核心の部分へ進みます。
“ながら見”をしていたのですが、なんとなくこの不思議な感覚が気になってきて、安っぽい感じの学園ドラマは続くものの気になる部分が出始めました。
まぁテストの邪魔をしたりと、学園コントみたいなノリは続くのですけど、あきらかに序盤と感じ方が変わってきたのです。
そして9話。主人公の記憶の開示
この辺から物語の全貌が見えてきます。そして序盤の訳わからんかったシーンも理解できます。
ここで感動、涙腺崩壊する方が圧倒的に多いのではないでしょうか?
相変わらず前半パートではバカなムーブもあるのですが……
それまでは「バカなことやってんなー」と斜に構えて視聴していたのですが、この一つのセリフから怒涛のように感動シーンを叩き込まれるような感覚になります。
ここの魅せ方が本当にすごくて、さっきまでのヌルい進み方から全く違う。
構成した方天才です。「ここで号泣した」というコメント、多かったです。
物語の軸も分かり、気持ちもすっきりしました。
ここから終盤にかけては登場人物の過去エピソードも加わり、どんどん良くなっていきます。
やっとこの物語が名作だと言われる理由が分かってきました。もやのかかっていた世界もくっきり見えてきて心が晴れていくような感覚がします。
補足で、EDで流れる曲『Brave Song』に関しても意識が変わります。この曲は普通に聞いていたら良曲なのですが、エピソードを見終わってから聞くと神曲になります。
エンジェルビーツの物語が曲とシンクロして、勇気の沸く素晴らしい名曲となりました。
見終わったらきっと優しくなれる
序盤は一体何なんだこのアニメ…とか思っていたのに、中盤以降は感動と神構成に心が揺さぶられっぱなしでした。
放送時は2010年ということで、自分は仕事に忙殺されてアニメなんかまったく見向きもしていなかった頃でした。
あの時この作品やガルデモの楽曲に出合っていたら、もっと自分は誰かに対して優しい気持ちになれたのかもしれないな…としみじみ感じます。
視聴し終わって、この作品のタイトルの意味も理解できた頃には皆さんの記憶の奥深くに残る事でしょう。
ティザービジュアルだけで判断しなくて良かった。見て良かった。人間的に成長させてもらった作品です。
こんな作品を発信できる日本のアニメ界は本当にレベルが高いと再確認しました。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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