感想『カノジョも彼女』新ルール採用=ネオスタンダード(?)

レビュワーの皆さん 閲覧ありがとうございます。

周作twitter:DarvishShu)です。

ラブコメ…は、自分はあまり興味ないな…と思ってたんだけど、見だしたらアホみたいに面白くて止まらなくなってしまったこの作品。

カノジョも彼女』のレビューを紹介しますのでよろしくお願いします。






野球を4アウト制にした感じ

講談社ではラブコメを題材にした作品がかなり乱立しているらしい…そんな中で、人気が高く鳴り物入りのような勢いでアニメに進出してきた作品。それが『カノジョも彼女』

キャッチコピーに“ネオスタンダードラブコメ”と書かれているのですが、何がネオなのか気になったのは事実です。

でもふたを開けてみれば、2股を初めから容認してのスタートというもので、「なんだ~そんな設定か~」と感じたのもつかの間。

出てくる登場人物たちが揃いも揃ってバカばっかりなのです。

©井上雄彦/SLAMDUNK
アホな人間がアホな事をやっているので、全部がアホみたいになる。

このようなループ(?)で話が進んでいくのですが、まぁ皆のアホさ加減がすごい。

©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
作中にまともな人も出てくることは出てくるのですが、主人公たちのグループに入れば入るほどアホな深みにはまっていくという感じで、すっかりおかしな展開になっていきます。

堂々と二股する恋愛モノというより最高のバカアニメといっても良いかも。

初めは主人公の直哉君とその彼女さん2人(?)の3人で話が進んでいきますが、ここで1人でも常識人がいたら、この関係は継続しないというふしぎなバランスが出来ています。

©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
アホなやりとりも多数生まれます。是非作品を見てもらいたいのですが、ここで少し紹介します。
「二股していいか!一緒に彼女に聞きに行かないか!?」
「こっそり二股とかは、人としてできないから、こっそりするのはNG。」
「自分に正直に二股に挑戦する方が!」
この直哉君という主人公、実直なのかただのバカなのか分からなくなってきます。
©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
こんな感じで初回から飛ばし過ぎなくらいアホなのをまき散らしてきます。

声優の実力もかなり貢献した作品。

自分はあまり声優さんを知らなかったのですが、この作品で強烈にインパクトを残したのが、「佐倉綾音」さん。

バカ演技が最高に面白くてインパクト抜群でした。

©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
「ちが~う」とかコブシの効いた己へのツッコミボイスなどは、大昔の名作「シティハンター」の冴羽さんの真面目と間抜けなギャップボイスを思い出させます。

とにかく声優さんの清楚な声からの真逆の面白演技が面白くて、テンポも早いせいでどんどん話が進んでいきます

©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
ラブコメなんか興味ないなんて思っていた自分がいつのまにかこんなに物語にハマり込んでいたなんて。この作品、ただモノではない。
とにかく「アホな女の子」を描かせたら、この原作者のヒロユキさんという方は天才的だなと感じました。
©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
これからもリミットのはずれたアホなキャラをドンドン世に送り込んで和ませていってほしいです。

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SNSなど駆使したラブコメは結構新しいかも

視聴を続けていく中で気になったのが、SNSを巧みに駆使する彼女達。

©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
この作品の1期が放送されたのが2021年。

その辺りだと、当たり前にスマートフォンが普及していた頃になります。

少し前のアニメ作品だと、まだiPhonやAndroidではなく携帯電話

しかし、このアニメ内ではLINEのようなSNSを駆使してやりとりをしたり、時には欺いたりする道具として使われています。

3人目に現れた刺客ことカノジョはYoutuber(ユーチューバー)ならぬ人気“ミーチューバー”だったりします。

©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
ラブコメ界というかアニメ界にもネットの世界やSNSがかなり浸透してきたのがうかがえます。

もうSNSなどを駆使した恋のバトルまでも展開するようになってきたんだなぁと時代を感じるシーンがあります。

©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
そして名言も生まれています!「再生数は谷間で稼ぐッ!」

行動力は大事!じりじりと差をつめる黄色

初めは主人公の直哉君に対し…
幼馴染というアドバンテージを持つ:赤
抜けてるけど一途な努力家:青。

この二人のペナントレースという印象でしたが、途中、先ほどの“大人気ミーチューバー”の黄色髪の子が参戦してきます。

ホームというアドバンテージこそないけれど、自力で稼いだ豊富な資金源を使い、アウェーながらも直哉君を追い詰めていきます。

©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
黄色の彼女は自力でお金を稼いできたという成功体験と潤沢な軍資金があり、見ててやっぱりお金ある人間は強いな~というのを感じてしまいます。
©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
この辺も面白いですし、第三者という名の自分らから見ても行動力のある人は魅力的です。

多分、学生期間という3年間を使ったペナントレースのような長期戦となれば、おそらく黄色がスタミナ勝ちするんじゃないのかというのが自分の予想ですがいかがでしょう?長期戦になるなら…です。

しかしアホ4人の間で三つ巴。一体どうなるのか…という所です、ずっと気になっている存在がいました。

この盛り上がりに紫がどう割って入るのか!

2期になってこのエピソードが中心に描かれることになりますが、直哉君に好意を持っている人物がもう一人います。

紫髪の子で、成績優秀。登場人物の中では一番まともです。アホにあらず。

©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
でもこの子は自分のプライドが邪魔していて直哉君に好意を伝えられないのです。絵にかいたような告白シュチエーションを用意されたとしても…です。

他の3人はすんなり気持ちを伝えているのに、自分だけは言えない。

他の3人よりも明らかに秀才で、良識もあり美人。

でも自分が怖がりでヘタレであるばかりに告白すらできない。

2期になってから趣向が変わり、このアホでない人間が抱く感情や葛藤に焦点が当てられます。

客観的に見たら、頭が良すぎたらかえってあれこれ考えてしまい、動けなくなる上、自分を縛って苦しめてしまう傾向にある。

紫の子が思いを切り出せない気持ちも分るけど、やっぱりどこかで覚悟を決めないといけない。

©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
恋愛は理屈でなんとかなるものではないのです。そういう点も描いていて意外でした。

実際告った後は、意外と何ともないものです。でも思いを伝える“まで”が本当に苦しい…注射みたいなモンでしょうかね?

他に2期に入って感じた事として、ハチャメチャで怒涛の展開だった1期と比べ、明らかに2期はトーンダウンした感があります。

アホの要素を抑えたからそう感じるのかもしれませんが…

1期の盛り上がり、そして人気を維持たままでの2期(続編)を展開していく難しさも感じました。

大体の作品は人気ゆえ2期放送が決定したとしても、その2期でさらに盛り上がり、さらなる続編へどんどん繋がっていくかというと、そうではないのが大多数です。

ラブコメに限らないですが、人間は飽きもあるし、視聴者の予想を上回るような面白いコンテンツを提供し続ける事の大変さを感じます。

©ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。