感想「転生したらスライムだった件」人間関係に悩む方への指南書

新社会人に向けた人間関係の指南書「転生したらスライムだった件」感想

レビュワーの皆さん 閲覧ありがとうございます。

周作twitter:DarvishShu)です。

今回は、アニメ『転生したらスライムだった件』、略して「転スラ」のレビューを書かせていただきます。

※ややネタバレを含んでいるので、まだ見てない方は見終わってから閲覧しに来てくれたら幸いです。

このアニメを見たきっかけは、知り合いの学生に勧められたから。

そして、現在スマホに入れているゲーム「チェインクロニクル」がコラボイベントでこの作品を紹介してくれたこと。

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まずは作品の概要をWikipediaより簡単に紹介します

★転生したらスライムだった件

▲画像をクリックするとHPへ移動します
原作/川上 泰樹、伏瀬、みっつばー
監督/菊地康仁
シリーズ構成&脚本/筆安 一幸

★放送期間★
第1期:2018年10月2日~2019年3月26日
第2期第1部:2021年1月12日~3月30日
第2期第2部:2021年7月6日~
転スラ日記:2021年4月6日~6月22日

WEB小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していたWEB小説が関連全作品のベース
現実世界で通り魔に刺されて死んでしまった会社員『三上悟(みかみさとる)』は、異世界の洞窟でスライム『リムル』として転生する


©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会

オープニングmovieです。

©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会

主人公がスライムなのに強すぎる

僕らの世代は、スライムというとドラゴンクエストに出てくるような、最弱のモンスターという位置づけなのですが、この作品から見る「スライム」は、ずいぶん違うイメージです。

©エニックス/ドラクエⅢ~そして伝説へ
とにかく何でも捕食して自分のものにしてしまう反則級の強さと、体内でのコピーや製造などの便利さを併せ持っていて、人間にも擬態する事もできる。

なんだかドラえもんの4次元ポケットを持ち合わせたみたいなキャラクターが、この主人公が転生した形のスライム。

©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
まず見て思ったのが、作画が楽だなーという所。

ファンタジーなアニメ作品なので、おそらく女性キャラを多く採用して華やかにしているのかなと思えば、意外と男性キャラ&男くさいキャラ(人間でない種族もいる)が多い世界でした。

皆がこんなスライムの物語なのに、面白いからとお勧めしてくるところはどこだろうかと思い、見てみたのですが…先ほど紹介したように、主人公が強すぎるのです。

色々あって途中から、人間にも形態を変化する事ができる万能スライム「リムル」
ただし、その強さを皆が幸せになる為に(町作りや争いをを治める方向に)使うので、多くの種族からの信頼を得られていくという感じで、「あぁ…こんなに強い国のトップがいたら平和な国になるのになぁ…」と感じずにいられないです。
©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
私利私欲のために自分の力を使っているわけでないので、結果として周りも感化され「お互いを許しあう、認めあう」という流れへと進んでいきます。

強いという事がいろんな事への解決になっています。

強いものは私利私欲に走らず、力あるからこそしっかりした道徳観念も持っておく必要があるなぁと。

©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
でも自分達にはないかけ離れた強さなので、現実っぽくはないですね。
「強さ」を正しい方向に使える人は、人望もあるしモテます

「本当はこんな社会でありたい」その願望をかなえる作品

今の世界は、新型コロナウィルスの影響もあり、国同士がギスギスしていて、緊張状態が続いています。

今後、コロナで疲弊したうえにさらなる天災などがきっかけで国同士の戦争に発展しないかとても不安です。

このアニメの世界でも、様々な国ではないのですが、様々な種族同士が均衡を保って暮らしていました。

©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
しかし、その基盤が色々なものがきっかけで崩れていきます。

そこで最強クラスに強い主人公のスライムが、争いを止めるための仲立ちをして種族たちを和解させ、統治していくという流れになっています。

©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
今、現実世界ののどうしようもない人間関係や世界情勢に対して不満や憤りを感じている方は、この物語を通しての相手との繋がりを築く過程が爽快に感じるのではないでしょうか?

この作品が支持を得ているのはそういう現代社会で満たされない爽快感ではないかと感じます。

まぁ変な種族もいます。色々な種族(人種)が一つになって村づくりをしていくのはとても素敵です
現に、続編(TVアニメ第2期)が2020年から放送決定という事で、1期が終了した時点で沢山の人からの続編希望の声があったという事でしょう。





あなたはどんな仕事をしたいですか?

この物語のメインは何も戦いばかりではないです。

そこがこの作品の良いところでもありますが、アクションシーンが見れる「土台」が出来ているのに、物足りない…と感じる人もいるかもしれません。

縄文時代みたいな村からスタートして、いろんな職人さんを呼び込んだりして立派な町を作っていったり、果たせなかった夢をかなえるために奔走したりとバトルばっかりに特化していない部分も魅力的です。

想いを叶えてあげるために、時には遠出します
1期の最後も、ありがちなラスボスを倒してハッピーエンドみたいなものでなく、なんだか心が通じ合うような交流を描いて終わりに向かうような感じで、視聴者が心温まっていただけるような配慮が多いです。

誰かが死んで敵を取るという感じではなく、みんなが適材適所について町を…社会を盛り上げていこうというストーリーになっていくのは意外でした。

©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
物語の終盤で魔王っぽい人(?)が出てくるのですが、別に血で血を争うようなバトルにはならないし、そういう意図で作っているのか、魔王が幼女っぽい風格なのも意外でした。
©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
転生前の主人公のスペックが30代後半の社会人ということで、今までの経験を活かした対話や交渉事もうまいので、さらに仲間からの人望も厚くなります。上に立つもの、上司のあるべき姿です。
他の“転生者”とのストーリーはこの物語の世界観ならではの魅力
どんな仕事をして、どんな街を作っていきたいのか?
©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
この世界に居られるなら、自分はどんなポジションで活躍していけるんだろうか…見ていたらそんなイメージが膨らんでいくでしょう。
▲画像をクリックすると、ゲームサイトへ移動します ©Gamegate
▲ゴブリン村から始まる、魔国連邦(テンペスト)への道!▲
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現実世界にも活かしてみよう

この物語の「街づくり」「仲間集め」の形を一つの参考にして、現実世界でも社会や学校のようなコミュニティ内でうまくやっていけたなら、この作品を作ったスタッフの皆さんも喜んでいただけるのではないかと思います。

主人公のスライムみたいに強くは無いにしても、彼の“お互いの良さを尊重して、決して争わないで解決しようとする知恵”は、今の自分達にも役立てられるものがあると思います。

©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
ビギナー向けではありますが、リムルを見習って、今のギスギスした現代社会に背を向けず、部族や考え方は違えど彼らの様な素敵なコミュニティー作りを目指してみましょう。

今後のストーリーでは、彼がどんな交渉やアイディアを経て仲間を増やしていくのかが楽しみです。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。