感想「マーズエクスプレス」SFの”今”を味わい尽くせ!

フランスで誕生したディストピア・サスペンス

この度は閲覧いただきありがとうございます。

周作x.com/DarvishShu)です。

今回はやや難解だったけど世界観などが素晴らしかったアニメ作品「MARS EXPRESS(マーズ・エクスプレス)」のレビューを紹介します。

まず、日本では大々的な宣伝もなかったのにこの海外から輸入された作品を見るに至った理由は…

自分の尊敬するゲームクリエイター・小島秀夫(こじまひでお)さんが絶賛していたからというもの。

中学生の頃、この小島さんの手掛ける作品に強烈に惹かれ、一時はゲームを手掛ける仕事を夢見ていたことがありました。

とにかく僕の中では天才だと感じていたあの小島さんが絶賛しているんだから間違いないだろう…そんな確信がありました。

また製作チームが日本アニメーション界の巨匠たちからインスピレーションを得ているというのも好感が持てました。

しかしこの作品、フランスからの輸入映画ということで上映会場が限られているのです。

自分は四国の高知県在住なのですが、四国内で上映している映画館が…無い……

そこで高知県から岡山市内まで電車で移動してまでわざわざ見に行った映画でもあります。

こんなに素晴らしい映画なのになぜ高知県では上映してくれないんだ…という悲しさもありましたが、自分もSF(サイエンス・フィクション)小説を手掛けているので大変参考になったというか世界観が素晴らしかったです。

最新の宇宙研究に基づいたハードなサイエンス・フィクションということで、リアリティ滅茶苦茶感じました。

人間とアンドロイドが共存する未来はAIの技術が進んできた今だからこそかなりリアルにリンクできる部分があります。

未来の物語ですが、おそらくこんな感じになるだろうというのが想像出来て比較的世界観に入っていくのが容易でした。

ちなみにタイトルの“マーズ・エクスプレス”とは「火星探査機」の意味。

舞台に至るまでの時代背景は話すと長くなるので割愛しますが、23世紀の物語です。






あっという間の近未来体験

シネマ·クレール丸の内発体感。
シネマ·クレール丸の内
岡山駅から程よい場所に位置する小さな映画館です。徒歩圏内です。
映画の方はハードなサイエンス・フィクションという事はあらかじめ予習していたのですが、序盤からかなり飛ばしていて、まず感情と世界観に振り落とされないように追いかけていくような感じで見ていました。

所々、おそらくこんな未来になっていくんだろうなという部分もあり、色々とワクワクが膨らむ所アリ。

製作陣は恐らく近未来を各々がイメージして、そして物語の世界観に合わせてすり合わせ、肉付けしていった事でしょう。

製作している時の無限に湧き出る未来世界のイメージの再現はきっと刺激的だったと思います。

さて、まず提示されるテロップ…“ロボットは人間に服従しなければならない”

このロボット達の守るべき絶対的な法(ルール)の抜け穴からの事件が物語の発端となります。

その事件に噛んだ私立探偵の女性が腐敗した街の裏側を探っていくうちに大事な事態になっていくというシンプルではありますが、独特の世界観の中で織りなすサスペンス要素の強い物語になっています。

でも近未来の世界観も十分に味わいながら進行していくストーリーは重厚感を感じたし、もっと世界観の細部まで紐解いてほしいと興味が尽きませんでした。





人間とロボットの共存するリアルな未来

この作品は近未来の起こりうる一つの形を描いていますが、とにかくリアルだった。

この世界観に触れるだけでもなんだか壮大な追体験をしてきたかのように感じます。

冒頭でも書きましたが、我々のAIに対しての認識が全体的に上がったおかげもあり、近未来のイメージがより鮮明に感じられるようになったみたいです。

SFというのは見ている側とのイメージのシンクロが大事です。

そのうえで物語が織りなされるわけですので、当然没入感も違ってきます。

その辺が申し分なかったので心地よいペースで見れました。

でも作品の掲げるテーマは一筋縄ではいかないところです。

そして突き詰めていくと人間の中のエゴみたいなのが見え隠れしてしまうんです。悲しいですけど立場の弱いロボットは被害者になってしまいます。

これは現代の紛争のしくみをそのままロボットにおきかえたようにも感じますし、彼らロボットは人間にはできない彼らなりの抵抗というのもがあるので、その選択肢も人間には思いつかないものでした。

このロボット達の選択をどうとるかは視聴してきた方たちの意見も聞いてみたいところです。

切り口は無限大


今回は探偵の調査から明るみになっていく世界という構成でしたが、SFというのは見れば見るほど世界観が広がりアフターの想像が広がっていくものです。

探偵の動きというのは、法の抜け道(法ではないけど)を突いていくような感じである場面を境に一気に物語の抽象度が広がったりして、早いイメージがしてしまいます。

火星に住まうトップ陣営の葛藤や対話の試みなど、もっとこの先の景色を見てみたい…コレ、火星のオープンワールドとかで遊べないものでしょうかね。それくらい完成度が高かったし崩壊に至るまでの流れも早かった。

物語がけっこう駆け足で進んでいったのもあり、もっとこの世界に”浸かりたい”と感じています。とりあえずは、DVDなどの媒体になったりネットから動画視聴できるようになったら『日本語翻訳版』を見てみたいです。

自分も作品を手掛けていて、物語のテーマの根っこは近未来の戦争を描いたSFです。この作品と被るところがあり、今回大いに参考になりました。

同じクリエイターとして、海外の人間だろうがいつかチームの皆様(製作者)にお会いしてみたいです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。