感想『リコリス・リコイル』やっぱり最後はキャラの出来が重要

“令和版シティハンター”とは言い得て妙 

今回は、放送当初は自分も含めノーマークだったけど、回を追うごとにどんどん人気が高くなっていった作品、『リコリス・リコイル』のレビューを皆さんとシェアさせていただきたいと感じています。

レビュワーの皆さん 閲覧いただきありがとうございます。

周作x.com/DarvishShu)です。

この作品は評価が日増しに高くなっていくのを感じたので視聴してみようかなと感じたという流れ。

じゃあこの作品はどんな内容なの?とSNSでのリコリス評価を読んでいくと非常に分かりやすく説明されている方が居ました。

“あの名作シティハンターを令和版に合わせた感じ”という言い方。

確かに2人組のバディ形式のガンアクションストーリーで、町の治安を守るメンバーが主人公という事でしっくりきたし視聴してみることにしました。

なにせシティハンターは昭和の名作です。

それが令和になって新たなテイストになって登場する…となるとやっぱり戦うのは男でなく女になるんだろうな…と。

予想通り、銃を手に戦うのは女の子の2人組。しかもまだ幼い。

この2人(千束とたきな)を中心に描かれます。

一見見れば、こんな若くて華奢な子たちが社会の治安を守るだなんて大丈夫なのか?屈強な大人達に掴みかかれたら一たまりも無いぞ…と感じていたのですが、そこは杞憂でした。

金髪の女の子の方がとにかく“コロサズ”を実践しながら戦えるくらい戦闘力が高かったのです。

この子、何気に銃弾を見切って避けたりできます。普段はオテンバな子なのに戦闘能力が突出して高いのが特徴。
まぁそんな個性豊かなリコリスメンバーも含め、レビューを皆さんと分かち合えたらと思います。よろしくお願いします。





キャラクターは◎でも設定は無理がある

まず登場人物たちがとても魅力的ないで立ちをしています。

足立慎吾さんという凄腕の作画職人の元、生み出されたキャラクター達は、アニメ上で動き出す前からこのキャラデザならあっという間にファンがつくだろうな…という魅力を出しています。

自分も作品をアニメ化してもらうならこの人にお願いしたいです。

作画を足立さんが担当されたのはヒット要因の大きな1つだと感じます。

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
日本の治安を守る秘密のエージェント「リコリス」

訓練を受けた女性警官隊のようなグループです。

ここに所属している“井ノ上たきな”さんがとある事件でポカをして左遷みたいな形で、喫茶「リコリコ」への転属が命じられるところからストーリーが始まります。

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
その喫茶店の看板娘で優秀なリコリスでもある千束という女の子とコンビを組んで難局に殴り込んでいくという流れですが………まず“リコリス”という組織に無理があるような感じがします。

リコリスの隊員は女性ばかり。しかも若い子ばかりなのです。

孤児だったりと色々理由はあるのですが、やっぱり日本の治安を守る人材にしては女の子たちはか弱すぎます。

身なりはまるで女子高生みたいな格好しています。カムフラージュの一種でもありますけど…(コスプレとしては人気出そうですね。)

実際の状況をあまり想像したくはないものですが、弾切れとか色んなケースで銃という飛び道具を失ってしまえば肉弾戦で対処しなければなりません。

そうなれば女の子の腕力では圧倒的に不利です。

僕はリアルな世界で警察官の知り合いがいるのですが、治安を守る警官という職は、日々体力を鍛えどんな相手にもひるまない強い精神力と体力が必要なうえ、時には命がけで立ち向かう覚悟も必要になります。

そんな大変な任務をこんな女子高生くらいの女の子達がこなせるわけないだろう…と、しょっぱなのリコリスの組織を見ながら感じていました。

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
実際に、SNSでは“モブリコ”と呼ばれているリコリスメンバーのモブキャラ達も日夜暗躍しながら治安を守るために奔走していくのですが、屈強な軍人や混乱した住人、敵方勢力にマークを受けてしまうと銃弾であまりにもあっけなく殺されてしまうのです。

千束みたいなめっちゃ強いリコリスも中にはいるにはいるけど、やっぱりこういう役目は高校生みたいなナリの女の子が務まるものではないし、リアリティに欠けます。

千束のような銃弾の軌道を読んで避けられるぐらいの達人でもない限り無駄に命を散らすだけです。

皆が千束くらい強かったら良いのですが、そうはいきません。
平成~令和と時代が変わるにつれて、戦いの舞台に参加するのは男性キャラから女性キャラへと変わりつつありますが“女の子”が戦うものじゃないです。

ソードアートオンラインみたいな仮想空間での戦闘ならまだしもリアルな世界で男に混じって戦闘に参加しているのはどうも気が引けます。

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
冒頭で触れた“たきな”さんも、戦功をあげて周りに認めてもらおうとやっきになるのですが、そんな事よりもまだ若いんだし、青春を謳歌してほしい…と中盤あたりの交流シーンを見ながら感じずにはいられませんでした。

この作品は“平和”というものをリアルに深く考えるきっかけにもなっている作品だと感じるので、よけいに殺し合いの現場に向かうには無理があると感じます。

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
何が彼女達を戦地に向かわせるのかもきちんと描いてはいましたが、個人的にはどうしても受け入れづらいところでした。

“あんまり女を戦わせようとするなよ…昨今のソシャゲでも当たり前の様にガンやソードを振り回す女の子はいるのだけど…何だかなぁ…”

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
昭和生まれの価値観だからそう感じるのか…でも平和や絆、秩序などのリアルなテーマを扱うのなら女性はリアルな戦闘に参加させるべきではないと思います。それだけでなんだか遊びに感じてしまうのは自分達の世代なのか…

実際戦ってる女の子というのは魅力的なようで人気キャラもいます。でもそれは自分に言わせたらフィクションの域を出てません。

現実の戦争に女性の軍隊がどれくらいいるかを調べたら分かります。

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
喫茶店チームのメンバーも女性ばかり。女性総活躍の時代に突入したのかと感じるほどです。




喫茶店の魅力的なメンバーだけでもいける

見ていく中で、やっぱりキャラデザが良いのと千束さんとたきなさんという2人の主人公を軸としたメンバー達が魅力的なのもあり、何もしないで喫茶店で慌ただしくやってるだけでも人気が出そうな雰囲気がしていました。

物語は後半に入るまでは、適度なクエストを挟んだりしながら楽しそうな日常を描いていましたがああいうのでも良かったのではないでしょうか?それがゴールの形になってしまうと、たきなが納得しないけど。

女の子達の喫茶店なんだからこんなありふれた日常が続くんで良いんでないかとも思うのです。

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
でもたきなさんが喫茶店の雰囲気に馴染んでしまう頃に、物語は次の展開に進むのは予想できました。

千束の過去回から物語は終盤…黒幕との戦いに進んでいきます。

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
やっぱり話の構成上、戦いは免れないか…という感じです。

物語は決してハッピーエンドでは終わるわけではないのですが、平和だって常に当たり前のようにあるわけではない。バランスを取りながら町は生きている。

それが分かっているから今を大切に生きている2人。楽しむのも全力で。

今を当たり前と思わず、だからと言って気負わずにまず楽しむこと。

メンバーからそんなシンプルな事ではありますが教えられたように感じます。

たきなさん目線で見ていけばそんなメッセージを受け取れます。

ただ、オリジナルアニメという事で、平和について以外にも色々と社会に向けた対してメッセージが隠れています。見どころというか見る所は多いので何度か見ていけば感じ方も違ってくるのではないでしょうか?

渋いオッサン達の立ち位置から見えてくるものあると思います。

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11

あと、千束の考え方が結構大人です。命の有限と大切さを知っているからこそなのでしょうか。その部分を知った上でもう一度彼女のセリフを聞いていけばまた違った気づきがあります。

ふるまっている姿だけだと女子高生みたいですが、考え方やとっさの判断力は大人です。どこでこんな達観した性格が出来上がったんだろうと思う程見た目に反してスゴイです。

続編が出るかどうかは分かりませんが、この2人の今後の活躍は見ていきたいと感じている人、多いのではないでしょうか?

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
トップハッカーや元・DAの情報部員など喫茶店には面白いメンバーも沢山います。

絡め方によってはもっといろんな難題にも立ち向かえるような布陣となっています。一通り見た後、色々とイメージが膨らんできます。

だからこそ放送が終わっても反響が大きかったのでしょうね。

2人の人気は予想通り高く、その辺は制作陣の狙い通りだったと思います。

©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。