レビュワーの皆さん 閲覧いただきありがとうございます。
周作(x.com/DarvishShu)です。
非常にうまく描いていて、その構成に感動。
マガジンでなんか話題のラブコメがあるらしい。実際にネットの掲示板でも賑わいがピカイチだ。そんな評価を聴いて、視聴してみることにしました。
でも自分はアラフォーです。あまりラブコメは興味のあるジャンルではないなぁという気持ちもありました。だから自分の中で響くものや学べるものが無ければ視聴は打ち切ろうと考えていました。
この作品は2024年現在で、1期、2期、劇場版、∞版(番外編)と続いています。相変わらず若者からの支持も高いです。
しかし、ラブコメなんて少女漫画を皮切りに沢山出てる。よほど突出した何かがないと、近年こまでヒットはしないだろう。という印象は拭えません。
しかしその理由がよく分かりました。思わず唸るようなストーリーになっています。
©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁*」製作委員会
最初から最後まで5対1
少し古臭いかもしれませんが、自分のラブコメに関する見解を書きます。
お付き合いください。
まず、ラブコメというのは本命のヒロインとのゴールインを目指すものの、必ずライバルのようなキャラが出てくるのが定石ではないのか?ほかにも人気が安定してきたと思ったら、引き伸ばしに入ろうとして他にもヒロインを増やしていくなどのテコ入れをしていくのが、ラブコメを盛り上げ、延命させる為の流れではないか?
こう感じていました。
この辺の感覚は、決して今どきの男性視聴者と変わらないと感じます。
しかしこの作品に出てくるヒロインは5名。(5つ子)増えもしないし減りもしません。
男性であからさまにイケメンでライバルになるような人物も出てきません。
視聴し始めてから1期まで見終わった段階でその違和感に気づきました。
あれ?ラブコメなのに今までのセオリーが無い。
しかも推理的な部分があるから、5人の動向に目が離せない…
設定が秀逸というか、5人の魅力をどんな視聴者にもしっかり見てもらい、そのうえであなたは5人のうちだれを選ぶの?と、こう視聴者に問いかけているような作品なのです。
今までのラブコメは、主人公の選択を観客目線で楽しむというストーリーが多かったのですが、この作品は違います。
まるで自分が主人公のような目線に立ち、選択を考えてしまう不思議な感覚を得てしまいます。
「誰押し?」という話題で盛り上がる
昔、主人公が恋した子がこの5つ子ちゃんの中の誰かという設定。
男性陣の好みこそあるので、恐らく視聴しながらも無意識に自分のお気に入りの子を目で追うようになるでしょう。
しかし、この作品には推理が入っています。
その効果で、どの子も注意深く見てしまう仕掛けが組み込まれています。
そしてまんべんなく彼女達を追っていく中で、自分の中ではノーマークだった子もなんだか魅力的に見えてくるようになります。意識開拓というやつでしょうか?
実際にこの作品で、女の子を見る視野が広がった人もいるのではないでしょうか?
5等分の花嫁の掲示板を読み進めているとそんなコメントで溢れています。いまここに張り付けることはできませんが、例としては
・●は無いと思ってたけど、今は●が一押しになってる
・■は◇◇があってから一気に好きになった。
放送当時、おそらく男子学生同士とかで話題になったのではないかと想像できます。
「お前、誰が一番好き?」「今は■だけど昔は□だった」みたいな話題で、女子会のノリとは少し違うけど、5人の魅力を話し合って恋愛トークが盛り上がったのではないでしょうか?
とにかくネットの掲示板での盛り上がりが目立っていました。劇場版が公開された時期は反響がすごかったです。
また年とったら好みも変わってきます。
「昔だったら□が好きって言ってたけど、今なら〇一択だわ」みたいなオッサン世代の掲示板への参戦もあり、幅広い世代(男性が多いと思うけど)に支持されている作品なんだなというのが分かります。
話を戻しますが、誰が主人公の昔の想い人なのか?主人公が誰を選ぶのか?を推測する為、結果として5人全員を注視してきた結果、5人の魅力が視聴者に十分伝わった感があり、原作者や監督からしたらしてやったりという感じではないでしょうか?
作り手側も、自分たちが生み出したキャラを皆が愛してくれたらうれしいものです。いやらしい話になりますが、その後2次商品(グッズ等)が売れたらさらに新エピソードなど製作する余裕も生まれます。
実際物語が進むにつれて、2期に入るとどんどん作画が良くなってきたように感じるのですが気のせいでしょうか?
実際に彼女達のグッズは人気ですし、今までのセオリーではない新たなラブコメアニメの「成功例」と言えるでしょう。
そしてこのあたりから「視聴者たちに支持されるような魅力的なヒロインを作るぞー」という流れを感じました。
2次的にも3次的にもヒロイン力というのは絶大です。男達の心のよりどころになり、歳も取らないし何時までも心の中で生き続けられる事ができます。便利!
新たな成功事例となったジャンル
最後まで目が離せなかった5人。
初めはラブコメなんて今更…と思っていたのに最後まで視聴してしまった自分は、原作者の術中にはまったと言えます。
それでも従来通りライバルや追加ヒロインなどの流れがないままここまで盛り上がりを見せて、最後もパワーダウンすることなくゴールしたこの作品には敬意を感じます。
大体の作品は、ストーリーが安定してきたらキャラを増やしたり、引き伸ばしに入ったり、読者をつなぎ留めておくためにアダルトな描写を入れたりというテコ入れをしてきます。(1期から2期の流れも同じ)学生ならではの恒例イベント「文化祭」や「クリスマス」「正月」「バレンタイン」。そこにうまく便乗して盛り上げていくやり方はもはやテンプレートと化しています。
でもこの作品はほかの作品とは違う独自の技法(?)で成功の波に乗り、大ヒットしました。
おそらくこういうスタイルのラブコメはまた出てくると思うので、その2匹目のドジョウがあれば、この作品からどういう影響を受けて、どうオリジナリティを見出しているのかなどチェックしていきたいと思います。
物語の中に推理的な部分を入れたら、全体の流れに目が離せなくなり書き手と読み手に良い相乗効果を生むんだというのを知りました。
この仕掛け、本当によくできています!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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