切り口が面白いのですぐにハマった
レビュワーの皆さん 閲覧いただきありがとうございます。
周作(x.com/DarvishShu)です。
異世界で活躍する主人公…非常にたくさんのタイトルが出ています。
その中には奇抜なものもあり、“異世界モノ”自体が飽和状態になってるのではないかと微塵も感じさせないくらい魅力的な作品が出続けています。
そんなレッドオーシャンになっている異世界の物語にまた一風変わった若者(年齢的にはそうだと思う)が殴り込みをかけます。
まるで芥川龍之介を彷彿とされるようなキャラ。
“恥の多い人生だった”とまるで達観したような生き様をしていて、それが他には無いキャラの魅力を醸し出しています。
このやや癖のある主人公…彼が何を思いどのような動きを見せていくのかというのを考えながら見ていくのもこの作品『異世界失格』を楽しむ秘訣ではありますが、視聴してみてこれは現代人に刺さる部分が多いと感じたので、レビューにまとめさせていただきたいと感じました。
自分の弱さをしっかりと認め、苦も無く与えられたチートスキルでごまかさずに裸の自分で向き合う先生。
タイトル画面も特徴的で、これを見るだけでもこの作品のカラーがわかりやすく、期待が持てます。
トラックは異世界行の切符?
異世界モノが流行り出してからいつのまにやら出来た設定があります。
それは“トラックに引かれて死んで異世界に行く”というもの。
主人公“達”もトラックから異世界に連れていかれます。なんだか宝くじみたいです。
転生した人間を女神官さんが出迎えてレクチャーするのですが、『勇者を落とす“さしすせそ”』とか何というか説明の仕方が文学小説のコメディみたいで全然説明っぽくないのです。
クリエイターを目指している方は、この物語の導入部分が上手いので是非1話だけでも視聴を試みてみるのが良いかと思います。
1話目って大事ですからね。
まるで現世で満たされなかった人間が、ここ異世界で大いに反省し、再び現世に戻り人生をやり直すという人生救済の場になっているのです。
文豪の先生だけあって、その語りは非常に説得力…というより味があります。
この辺は実際に作品を視聴してみて、先生のお言葉を聞いてみて下さい。現代人に刺さるものばかりです。
異世界に行けたらあなたはどうする?
異世界モノが流行っているというのはもうずいぶん前から知られています。
なぜ流行るのか?
それは現代社会が生きづらいあまり、別世界に行って自分が尊重される中で活き活きと自分らしく居たいという願望の表れではないか…異世界に理想の暮らしを投影しているという意見があります。(他にも色々考察されていますのであくまで一例です)
この異世界にも何人かの日本人が転生されています。
異世界転移者仲間がいるのです。
しかし日本での現世が理不尽で辛かったのか、やたらとこちらの世界では威張り散らしてイキってる人間が多いです。
現世で満たされなかった想い、そして元の世界での無様な人生をここで発散させんと暴れまわっているのでしょうね。
そんな心情を受け止めた上で、主人公は転生した日本人達を改心させます。
穏やかな顔になって……
まるでこの世界から無事成仏させて現世に戻していくみたいな感じで、そのスキルこそ主人公の先生が持つものなのですが、異世界の住人からしたら威張り散らして迷惑に感じていた転生者を元の世界に強制送還してくれるわけなので、救世主みたいな印象になります。
結果、先生はそのつもりがなくても感謝され、崇められ、知らん間に神格化され、あこがれを抱かれ…仲間が増えていきます。
主人公ことセンセーの言葉如何でなんとでもなります。
でもあまりにも“自分の人生をしっかり見つめ直しなさい”と説教臭くなると、見ている視聴者もエンタメ感が感じられなくなり離れていく可能性もあります。
だから先生の心情と相手とのすれ違いを面白おかしく描きながら、伝えたい部分はその側面に仕込ませて物語を組み立てています。
もう異世界モノとかいうジャンルで区切らず、生き方に悩んでいる全ての方に楽しみながら見てもらえる作品として広めたいと感じました。
主人公の先生は、力があってもイキらず、人にどうこう指図や断罪するでもなく、マイペースを続けるので唯一無二の文豪キャラとして印象深かったです。
でもその後の先生の活躍に関しても非常に興味があります。
交戦的な人間も多い中、どう対処していくか見ものです。
新しいタイプの異世界ヒーローは、元の世界ではとても恥の多い人生だったかもしれません。しかしこの世界では称賛の多い人生を楽しんでもらいたいものですね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメントを残す