感想『弱キャラ友崎君』イイ男は探すのではなく育てあげるもの

引きこもりの方向けより婚活女性向けの作品かも

レビュワーの皆さん 閲覧いただきありがとうございます。

周作x.com/DarvishShu)です。

都会で電車乗ってたら時々女子トークが耳に入ります。

「うちんところの男子ってロクなんいないよね~」という“テイスト”の話が実に多い。…過剰に反応しているだけかもしれませんが事実耳にします。

しかしどんなにイケてる男子も初めはレベル1からというか弱キャラからのスタートなのです。

誰だって初めは経験値もないし知らない事だらけです。

はじめから神童みたいなハイスペック人間はほぼいません。

弱キャラだけどめげずにいろんな経験を積んでいって強キャラというかイイ男になっていくのです。

そんな紹介させていただくタイトルは『弱キャラ友崎くん』

御当地PRもしていますしなかなか心理描写が本格的です

イイ男になる為には、自分の駄目な所をきちんと周りとの人間関係を通して自己成長していかないといけません。

その流れでヒロインにあたる日南さんに彼の唯一無二とも言える尖った長所を見つけてもらい、かっこいい男性改革の実験台にされます。

そこから日南さんの魔改造によって少しづつ弱キャラを脱していくという一風変わったラブコメになっています。
©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん2」製作委員会
物語開始の発想は良い…でも視聴するまではな~…なんせ“弱キャラ”なんて言い方がまるで自分が弱キャラでそこから這い上がる為の指南書を、このヒロインを通して教えてやろうみたいな感じがしてあまりいい気持ちはしない…

こんなふうに感じて視聴をためらっている人もいるかと思います。

でもこの作品はそんな弱者男性とカテゴライズされている人の啓発アニメというよりも、今婚活をしている女性が視聴した方が良いのかもしれないと感じます。

©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん2」製作委員会
自分はキャラデザインがとても良かったのでちょっと視聴をしてみようかなという感じのクチですが、女性サイドが見ても学べることが多いです。
キャラデザは本当に良いです。作画力入れてるのがわかります
非モテで卑屈になっている男性が何を感じているのか?どんな人にでも良い所はある。そこを起点にその人の魅力を開拓してあげたらいつの間にかいい男になってたりするかも…磨けば誰にだって伸びる要素はある!
©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん2」製作委員会
そんな見方が出来ます。

すると男性を見る目が広がります。

俯瞰して相手と接することが出来るというか、ゆとりをもって否定から入らずにニュートラルな意識で男性と接することが出来るようになると。

それくらい今の世の女性陣は“人をジャッジする”基準が厳しいように感じます。無意識レベルで“こいつはないな~”みたいな所あるんではないでしょうか?





また主人公の友崎君を指南してくれるのが女性というのも面白い所です。…本人が楽しんでるのもあると思いますが。

ではレビューを書いていきます。

↓ ちなみに、登場人物の一通りの立ち位置を把握してから視聴するほうがより楽しめます。

©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん2」製作委員会
また、この作品はアニメ化される以前に『小学館ライトノベル大賞ガガガ文庫部門優秀賞受賞作』を受賞しています。

おそらくキャラクターそれぞれの心理描写が秀逸で、文庫内でも非常にキャラ達の感情が伝わるものだったのが推測できます。

だからこの一風変わったラブコメはなるべくしてアニメ化されたように感じます。

はじめは誰だってレベル1なんだから

始めは誰だって分からない事知らない事だらけの弱キャラです。

©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん2」製作委員会
そこからいかに這い上がるか。その気概があるかにかかってるのではないでしょうか。

友崎君の指南(教え指導する事)をしてくれる日南さんというヒロイン。(一応ヒロイン格)

お前人生何週目?というくらいのスーパー女子高生が強キャラ育成への監督です。

何このパラメータ!?
彼女は彼の弱キャラぶりを感じ取り怪訝な表情をするものの、彼の気概に対して“こいつはまだ駄目男だけど、心までは腐ってない。見どころはあるたいだな…”という印象を感じ取り、強キャラに仕立て上げるミッションを色々と課してきます。ある意味リアル趣味レーションゲームの玩具みたいな扱いですが、ちゃんと彼の事を考えて指導してくれるのでまぁ良しとしましょう。
©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん2」製作委員会
でも彼女は気が強く、ヒロインにしては踏み込み過ぎな所にも足をつっこんでいきます。“これやってもうたらヒロインと認定されんようになるんと違うか?”と感じる強気な言動もありますが、芯の通ったちょっと謎もある新感覚ヒロインということで認識しています。

彼女の本当の意図はなんだろうか?

アニメの中ではまだ明かされていませんが、家庭環境で何かがあったようで、それが今の彼女を作り上げているようです。ここらへんの掘り下げを描いてくれたら、きっとこの作品の芯が通って色んな行動とリンクすると思うので、3期は是非やってほしいものです。(2025年現在)

日南さんの課すミッションは実にシンプルで分かりやすい。

何かのゲーム画面みたいなエフェクトも使いながら説明してくれるので、今男性で学生やってる視聴者はこのミッションをそのまま遂行していけばイイ男になれるのではないかと感じます。

…そう、レベル1からでも強キャラになっていくための具体的なミッションなので、実用性が高いのです。

そのまま実践してもいいレベル。実践向き。

強キャラ育成自己啓発アニメといっても良いかもしれません。それくらい良くできています。





謙虚さを忘れずに成長あるのみ

主人公強キャラへの道…というか弱キャラからの脱出だけが何も物語のテーマではないです。

クラスの恋愛模様も描かれます。

その中で以前はノーマークだった友崎君が頭角を現して存在感を出して行く。

弱キャラから這い上がってきてるのが周りの反応からもよく分かります。

とあるモテ男爽やかイケメン“水沢君”からは友達として交流してくれて、さらに男性目線からの強キャラへの王道を指南してくれたりします。これが実に勉強になります!

©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん2」製作委員会
彼が変わろうとしていることに一番早く気付いたのも彼。

モテる男は意中の女性だけでなく“全体”をちゃんと見ています。

“いいか。自分下げて安心すんな。見下されることに慣れるな”

イイ男にはそれなりにこれまで頑張ってきた美学があります。この辺はアニメだからとか考えずに素直に受け入れるべき所です。

まぁ言葉だけでなく彼の対応の仕方なども実戦で役立つものばかり。

初対面の女性への接し方など分かりやすくアニメでレクチャーしてくれていて、その後の友崎君との対応の対比もみせてくれて本当に丁寧で分かりやすい。

コミュ障だと感じている人は是非見た方が良いと感じます。
※ちなみに水沢君から学べるエッセンスは2期。

モテる人は大勢の女性からモテているというのは的を得ているというか…非常に刺さる言葉を友崎君にかけてくれます。

そして、それらのアドバイス1つ1つに対して瞬間的に苦しそうな表情を見せつつも、逃げずに受け止めて向き合おうとする友崎君。

日南さんの身込んだ通り見どころはあります。

©屋久ユウキ・小学館/「弱キャラ友崎くん2」製作委員会
物語も後半に入る頃には自分の気持ちをきちんと伝えたり、女友達とプロジェクトを手掛けたりと当初から比べたら考えられないくらい動けるようになり“自分で判断して決める”事ができるようになっていきます。

まるで一人のダメンズの成長物語を見ているような感覚になります。

それも日南さんのミッションから逃げずに実践したから。

でも例え彼女が出来たり成績が優秀だったら強キャラというわけではないのです。

人生はゴールの無いマラソンみたいなものです。

このくらい成長したらもう大丈夫だろうという垣根を作らないで、謙虚さを忘れずに成長していきたいですね。

2期が終わった段階ではまだまだ物語は続いていくようですが、友崎君が初期状態からどれくらい変貌するのかを見てみたいですね。

アニメとはいえなんだかリアルに感じてしまいます。3期になればやや影が薄くなっているヒロインにもスポットが当たると思いますし。





今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。