レビュワーの皆さん 閲覧ありがとうございます。
周作(twitter:DarvishShu)です。
もう色んな所で似たようなコメントが上がっているのですが「絵柄の可愛さに騙されて見ていたら精神削られるから注意」という声が多い今回紹介する「メイドインアビス」
男の子の方はロボットか~和むなぁ。という感じで、自分も視聴済みの皆さんと変わらぬ所見イメージでした。
実際のところ序盤(穴に入り込む前)は、穴の入り口にある学校でのやりとりなど普通の日常が繰り広げられていたので、まぁ視聴していこうという感覚でした。
しかしアビスというこの作品の核となる大穴に入り込んでいくうちに、主人公だけでなく、視聴している我々も戻ってこれないような緊張感と世界観に抜け出せなくなります。
覚悟を持って見よう
この世界に救いはあるのか…
全てが残酷で無常に見えるアビスの中。
でもそこで冒険者の二人(リコとレグ)は確かに生きているのです。
どうかしてる。普通に人間生活を送っていてよくこんな設定を思いつくものだ。
でもそんな過酷な生存状況の中でもさらに奥深くを目指し進み、そして生きる二人。
自分たちはいつ死んでもおかしくない所にいるんだという覚悟と、生に対しての充実感…そんな感情をかみしめながら冒険をしているのでしょうか?
そういう描写をリアルで描くと重たくなるからこの絵柄なんでしょうか?
それでも呪いにかかった副作用はえげつないですし、おそらく見ていけばどの辺か分かると思いますが、無言になります。
生きることを侮らないで!みたいなメッセージを感じますが皆さんはどうですか?
“生きていく”ということへの警告
メイドインアビスの中では、魂がうごめきあっているようなイメージ。
まだ視聴してない人にも魅力を伝えたいと思ってレビューを試みてみたのですが、イメージとしてでしか伝えられないくらい色んな感情が渦巻いているような作品なのです。
「痛さ」の描写一つとっても、痛みの中に“生”に対してのパワーをすごく感じるのです。なんでこんなに感じるのか理屈ではわからないくらい。
どんなになっても生きる。生きたいという思いや、それを終わらせる覚悟等、まさに命に対しての向き合い方を描いています。
そんな命の向き合い方なんかしてこなかったから「重い」と感じる視聴者さんもいるのでしょう。
でも人はいつか必ず死にます。
死と生に対して感じるあらゆる感情を作品中に漂わせている…密室で煙草を吹かせたみたいに…
作品の原作は漫画のようですが、
このアニメという動く世界での表現は、唯一無二です。
穴底の地形や背景・光の入れ方なども、世界観がオリジナルなのでそれに沿った設定になるでしょう。演出など尽くこの世界にしかないオリジナルです。
この世界観を表現するのにどれだけの研鑽と時間がかかったのだろうか…
背景や見たことのない動物などを描く上での作画の流れなど気になる事ばかり。
そんな世界観の中で“命”を強烈に問いかけてくるから、理屈抜きで面白い。
未知へのロマンを追うという事の意味
メイドインアビスというすさまじい物語の視聴を終えて感じること。
これまで摩訶不思議な場所を探検してみたいという夢を持ち、まだ船で航海できるくらいの時代(大航海時代の幕開け時)に多くの冒険者が世界中を回り、帰らぬ人となったり伝説となっていった歴史があります。
未知への興味、知る事への渇望は人である以上尽きない欲望だと思うのですが、無事に戻ってこれるかどうかの保証は無かったはずです。(当時の時代)
それでも恐怖よりも知への探求心が勝った冒険者達は、穴という名の公開へ飛び出していきました。
歴史を振り返れば、大航海で各大陸からどんなものを得られたかという記録はしっかり記載されているのですが、伝染病のような負の遺産はあまり関連付けて記されていません。
メリットばかりでなくデメリットも得るのが冒険というもの。たまたま得られた財宝や香辛料ばかりにフォーカスするのではなく、負の遺産にもきちんと向き合ってみれば、このメイドインアビスもそこまで怖がって縮こまって見ることもないのではないかと思います。
狩るものは狩られる覚悟もないといけません。
たとえて言うなら、そんな自然界の中に人間サイズから小人くらいサイズになった我々が探検するようなイメージを思い描けば、少しはこのアビスの世界が理解できるのではないかと感じます。
アビスの世界は、人間以外の動物(飼育していない自然界の)だと結構当たり前の世界なのかもしれないですね。
メイドインアビスを通じて、自然界の世界に放り出され、強制的に生死の狭間に放り出されたような感覚になったから、僕らは急に自分の「生」を意識し始め、この作品に激しく心揺さぶられるようになったのではないでしょうか?
最後に個人的に感じたことを書いてみましたが、あくまで自分が感じた感覚です。
変態みたいな思考(良い意味で)を持つ、このつくしあきひと先生は今後の深層の世界をどのように表現していくのでしょうか。
独特の世界故、表現が難しく作画は時間を要すると思いますが、じっくり製作を進めてほしいです。
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