感想『パパはわるものチャンピオン』ヒールレスラー良い人説

レビュワーの皆さん 閲覧ありがとうございます。

周作twitter:DarvishShu)です。

見たかった映画の一つ。時間が出来たのでようやく腰据えて視聴できました。

新日本プロレスをV字回復してきたメンバーたちが、プロレス映画に参戦。ファンはニヤニヤしながら見てたのではないかと感じる「パパはわるものチャンピオン」のレビューをお伝えします。

プロレス好きな人でなくても見てほしいし、家族でも見てほしい作品です。

栄光の代償は誰にもある

主人公は棚橋さん…ではなく大村さんという昔、とあるプロレス団体でトップを走っていたレスラーの物語。

膝をケガしてしまい、トップ戦線から退いた後、ヒールレスラー「ゴキブリマスク」として慎ましやかにプロレス生活を送るはずだったという流れで物語は進みます。

ある時、子どもに自分がレスラーであるという事をかくしていて、それがバレてしまう。しかもその正体が嫌われ役である「ゴキブリマスク」というレスラー。

いかにもヒールな攻撃を繰り出すので、子ども達からも嫌われています。そんな選手が自分の父親だったと知れば、子どもはだいたいショックを受けますよね。

この分かりやすい構図から親子の絆を取り戻す流れが、分かりやすいのでプロレス知らない方にも見てもらいたいのです。

ファンからしたら、いろんなところでお気に入りのレスラーがゲスト登場するので、ストーリー以外の部分でも楽しめますが、選手を知らなくても大丈夫です。

出場選手の名前にも臭わせを感じます。「スイートゴリラ」とか書いていたら、姿見なくとも誰の事を言っているのかすぐに分かってしまいますね。





田口さんの演技が上手くてビビる

主人公の演じるゴキブリマスク。

当然ゴキブリのような動きを披露するのですが、このゴキブリのような動き…結構練習したんだろうな~とか感じながら見てました。

プロレスの試合をこなしながら、役作りの練習も結構努力されたんだなと感じていましたが、それ以上に役者として「やたらとうまいな…上手いからこそ主人公より目立つ…」と感じる方がいました。

田口さんというこれもプロレスラーの選手なのですが、この方のアクターとしての演技がうまくて、レスラーの傍ら俳優業でもしてるんではないかと思ったくらいです。

レスラーとしての田口選手は、若手時代からなんでも人一倍器用にこなしてしまう方だったそうですので、こういう機会に活かされたのかもしれません。

一人だけとびぬけて演技が上手くて驚きました。

他のレスラーは、演技よりも実際の素のプロレスで魅せてくれていましたが、まあそれが普通です。慣れないことは急にはできないものです。

生き様をリングで魅せるレスラー達

少しレスラー関係の話になってしまいましたが、総括させていただくと「プロとしての生きざま」をプロレスラーを知らない方にも感じてほしいと思います。

プロレスラーも一つの職業です。

プロ意識持って試合に臨んでいるのです。

プロの意識を持って試合している選手達に、冷めた目で見たり心無いヤジを飛ばしたりしないで、その生き様を見てほしいのです。知ってほしいのです。

物語の中盤くらいに、ファンの女性記者さんが出てくるのですが、彼女が僕たちファンの想いを代弁して雑誌会社(社会)に言ってくれてます。

「生き様」だと。

プロレスは勝ち負けだけではかたずけられない深さがあります。

見始めた頃はまだ「〇〇が強い」とか「□□より上」みたいな勝負至上主義、優劣優先主義な見方になりがちですが、長く見ていたら“生き様”という意味もだんだん分かってきます。

子ども達がプロレス観戦している姿も微笑ましく印象に残りましたが、子どもたちにもこの勝ち負けだけが全てじゃない独特の世界を知って、見てほしいです。

「プロレスなんて●●だ」とか達観した事を言う人いますけど、彼らはリングに命を懸けています。そんなレスラーたちは逆に僕らに問います。

「俺はリングに命かけてるけど、おまえは何かに命かけられるか?命をかけてでもやりたいものはあるのか?」

この映画が、プロレスに対する理解やプロレスに興味を持ってくれる人が増えるきっかけになれば良いなと感じます。実際にプロレスから勇気や立ち上がる力をもらった大人は沢山います。……ここにいます。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。